貴方のために出来ること part.19【名探偵コナン】

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〈ここまでやって手ぶらなのは寂しいだろう。
良い子にしてりゃあ……

──ささやかなプレゼントの一つくれぇ。貰えるかもなぁ？〉


はぁ？今度はなに言ってんだこいつ？？バーボンのとこにサンタが行くわけ無いじゃん。自ら捕まりに行くようなもんだぞ？


という疑問は直ぐ様消えることに。


バーボンが上方にある防犯カメラへと顔を向けたから。画面越しであるにも関わらず、目があった気がした。つーか


『私があげるんかい！勝手に決めんなっ！』


文句を訴えてみたが、梅ちゃんは聞くつもりなどない様子。


バーボンが防犯カメラへ意識を向けている間に、バイクを反転させて屋上の端へと移動。


エンジンの吹かし音に気付いたバーボンは、梅ちゃんへと意識を戻したが時既に遅い。屋上という短い距離を爆走させ、屋上を飛び立ったところだ。


梅ちゃんが向かった先には、人一人も歩いていない歩道橋の上。難なく着地を成功させ、立ち乗りの状態で階段を下り、公道へ出れば、何もなかったかのように走っていった。


ポツーン……と取り残されたバーボンは、梅ちゃんの姿が見えなくなったところで懐からケータイを取り出す。どこかへ連絡(おそらくお仲間さん)しようとしたが、はたっと動きを止め、防犯カメラ(私)を見た。


『覗き見してんの完全にバレたわ。別にどうということは無いけど』


バーボンは何もせずにケータイを仕舞い込み、背を向けてバイクへと跨がって走り去っていった。


それを見やれば、Segretoが侵入したという痕跡を消し消ししていく。


後始末をしていたら、足元で空気が流れるのを感じ


(ん？風？窓開けて無いんだけど？すきま風？)


って背後にある窓を振り返ってみたが、思っていた通りピッチリと閉まったままだ。でも床付近で動く白っとふわっとした物を見た。


『…………』


頭の上へ手を持っていけば、手触り抜群なふわっふわ〜とした感触の物を触り


(すきま風じゃ無かったのは良かったけど。……私はいつの間に半獣になったんだ？？)


って疑問が浮かんだ。無意識に変身してしまうような衝撃的なことと言ったら


『うおぉい！さっきの行動はなんだっ！ビックリしただろーッ！』


バーボンから逃げ切ってから今の今まで、一言も発さなかった梅ちゃんへ文句を言ってやる。


〈あー、思ってたより距離と高さあったな〉


『やるならやるって言えッ！！』


梅ちゃんの態度が腹立たしくてビッタン！ビッタン！と尻尾の先が床を叩く。


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