50,呪胎戴天編の話を詰めた為、一話ずつズレました。内容に変更はありません。 ページ9
動く気配の無い恵くん。呪力が切れたのか、動くことも出来ない程の怪我を負ってしまったのか。
私の鼻では目の前にいる宿儺、……悠仁くんの胸元から多量に流れる血の匂いが多過ぎて分からない。
……もしかしたら戦意を喪失してしまったのかも知れない。けど
『そのまま、座り込んだまま最期を待つつもりじゃないよね?何もせずに、悠仁くんを行かせるなんてことするの?』
宿儺から視線を外すわけには行かなくて、正面を向いたまま恵くんへ言葉を掛ける。
『最期まで足掻け。最期の、最期まで』
厳しいことを言っているということは分かっている。それでも声を掛けたのは、いつ死ぬか分からない呪術師なんてのをやっている青年に、後悔して欲しく無かったからだ。
愉しそうに口角をあげている宿儺。こちらが何か出来ると思っていない様子。
背後にいる恵くんが立ち上がったことを気配や音で感じた。そして「……悪い、神谷。巻き込むぞ」と一言告げられ、呪力が上がっていくのを感じ取る。
『あはっ!上等!好きにやれ!』
そう恵くんに返しつつ、私は宿儺から目を逸らすことなく最後の型を構えた。
『スゥゥゥゥ……。シィィィ……!』
今私に出来る最速を食らわすッ!!その思いから宿儺を睨み付け、
『敵わないかどうか……、試してやるよッ!!』
その言葉と共に、普段は極力仕舞っている殺気をも向け放つ。
「……良い。良いぞ。お前達が命を燃やすのはこれからだったわけか。
──魅せてみろ!!
伏黒恵!!神谷Aッ!!」
「
『雲の呼吸』
「
目の前にいる人の纏う空気が変わったことに気付いて、私は構えを解いた。気付いたのは恵くんも同じようで、上がっていた呪力が抑えられていく。
「……俺は
「……そっか」
目の前には宿儺ではなく悠仁くんがいた。……宿儺によって自身の胸部を貫かれ、大量の血を垂れ流す悠仁くんが。
宿儺は受肉しているとしても呪霊。心臓が無くても生きていられる。でも……、人間である悠仁くんはそうはいかない。
「悪い。そろそろだわ……。伏黒も神谷も釘崎も。五条先生は……心配いらねぇか」
フラッと前へと傾く悠仁くんの体が
「長生き、しろよ……」
ドサッと地面に倒れた姿を最後に、私の意識は暗転した……__。
***
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雪丗(プロフ) - マロンさん» 御指摘して頂きありがとうございます!今の今まで全く気付かず…。寧ろマロン様や読者様方がご気分を悪くされていたかと思われます。誠に申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないよう注意していきたいと思います。コナン含めお読み頂き、有難うございます^^ (2021年5月26日 20時) (レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 楽しく読ませていただいています!訂正なのですが、家入さんの名前が「入家」になってませんか?訂正コメでご気分を悪くされたらごめんなさい。コナンの「貴方のために出来ること」の頃から読ませていただいています。応援しています!頑張ってください! (2021年5月26日 19時) (レス) id: 31c3af07a3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - ありがとうございます!!!楽しみに待っていますね!これからも無理のない程度に更新頑張って下さい! (2021年5月19日 6時) (レス) id: 5bec1067b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 十六夜さん» 十六夜様、ご連絡遅くなり申し訳ありません。リクエスト頂いていた件ですが、一応形になりましたので、近い内に順次更新致します。これは十六夜様が求めているもの…か?と思う所はありますが、作者的にはこれも有りかと思っております。御了承宜しくお願いしますm(__)m (2021年5月18日 22時) (レス) id: 870296b562 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 十六夜さん» いつもお読み頂きありがとうございます(*^^*)猫を満喫している猫娘、喜んで頂けたようで安心しました(^^; 順平くん親子良いですよね(^^)リクエストの件は考える時間を頂きたく…。大まかでもシチュが浮かべば書けるのですが…。後日、改めてご連絡させて頂きますm(__)m (2021年5月15日 15時) (レス) id: 870296b562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2021年4月29日 23時