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「……よく僕のこと理解してんねー!もしかしてー?惚れ」
『一ヶ月も一緒にいれば、把握するわ』
被せるようにして先手を打ってやれば、からかい混じりの笑顔から、ニンマリと意地悪大好きそうな表情に変わった悟くん。
「とか言いつつー、僕には気を許してるよねー?家に来たばかりの頃は警戒心マックスの猫みたいだったもん!ねー?」
警戒していたのは、悟くんに対してだけじゃなかったけどな。って心内で返す。
長年の癖というものは、なかなか抜けるものではない。
投降という形で身柄を預けていた時、監視カメラが起動している部屋では、まったく寝れなかった。昔の環境みたいで。昔って程、経ってないか?まあいいや。長風呂と称して仮眠していたくらいだ。
悟くんに連れ出された後は、ずっと彼に警戒してた。だって隙だらけに見えて隙がないんだもん。強さの底が見えなさ過ぎて、虚勢貼り続けながらやり取りしてたんだから。お陰で心労がすげぇことになったわ。
でも寝れないしさー……。寝たら最後食われる!っていう野性的直感をヒシヒシと感じるし。
悟くんが出掛けてる間が、唯一の息抜、き……。
……私が警戒しっぱなしだったから、一人の時間を作ってくれてたのか?……見張りを付けなかったのも、それが理由だったのかもしれない。
チラッと横目で盗み見ると、変わらず
『貴方に人を気遣える心があったんですね』
「毒吐くなー。ビックリしちゃうよ」
こんな失礼なことを口にしても、怒ってこないのは意外に思える。だって悟くん短気そうじゃん?気に入らないものは力強くで捩じ伏せて言うこと聞かしてやんぜ!おらぁ!ってイメージなのに。
やはり失礼なことを脳内で考えていれば、
「Aは寂しんぼの癖に警戒心強いからなー。ぼっちは可哀想だから、心を許せる友達が出来るまで、僕が面倒見てあげるね!」
こいつも十分失礼だわ。お互い様だ。相子だ相子。とりあえず『そりゃどーも』と返答しておく。
『じゃあ私は、嫌われ者の悟くんが可哀想だから側にいてあげるよ』
「何言ってんの?僕最強だよ?信頼されてるのよ?嫌われてる訳ないじゃん!」
『信頼されることと、好きになってもらうことは別物。イコールにはならない。絶対』
「絶対!?」
『絶対』
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雪丗(プロフ) - 寝子さん» 神作者だなんて…((( ;゚Д゚)))畏れ多いっ…!(;>_<;)作者の方こそ自分の作品を読んでくださる寝子様や読者様方に出会えてとても幸せです。本当にありがとうございます(*^^*) (2021年8月5日 22時) (レス) id: a83da031ca (このIDを非表示/違反報告)
寝子(プロフ) - 読み返し中です。爪痕を残していくスタイルです。こんなに面白い作品を書ける神作者に出会えて幸せです。これからも応援しています! (2021年8月5日 16時) (レス) id: 031b8fe371 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 十六夜さん» 御了承ありがとうございます(^^)そうなんですよ。最強の目には敵わないんです(笑)声援もありがとうございます(*^^*)これからもよろしくお願い致しますm(__)m (2021年2月11日 15時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - はい!もちろんです!そうですよね、五条先生なら絶対にすぐ気づいちゃいますね!なにせ最強ですしw更新楽しみに待っていますね!これからも楽しく読ませていただきます!頑張ってください! (2021年2月9日 0時) (レス) id: d92903b6b1 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 十六夜さん» チェシャ猫での戦闘ですが、変装し正体を隠して…というのは、目の良い五条先生が居るので即バレするとの考えに至りました…。チェシャ猫テンションで暴れまわるならば可能かと。そちらでもよろしいでしょうか?(>_<) (2021年2月6日 21時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2021年1月4日 22時