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現在フィリア達は位階発表前なので、頼めるのはFreeメニューのみである。そして学食は無料。食べたければ、いくらでも食べることが可能だ。但し嗜好品は売店で有料になる。
「苦手な物はシェアしましょう」
『シェアするのならば多めに頼みましょうか』「あ、ありがとう」
「私も注文……を!?」
ドドォーンといきなりテーブルに乗せられた料理の数々。それに驚愕したアスモデウスはフィリアへと顔を向け
「おい!シュリーヴ!頼みすぎだ!」
『まだ頼んでいませんけど……』
「はぁ!?」
料理を運んできた者へ「なんだこれは!?」とアスモデウスが声を上げる。だが「ええ!?でも確かに50人前と……」というウェイターからの返事。
周りから聞こえてくる生徒達の小さな笑い声に、アスモデウスとフィリアは察した。
「低俗な悪戯を!!」
『はぁ……子供のようなことをしますね……』
「入間様!」
アスモデウスは振り向き様に入間へ声を掛けた。それと一緒にフィリアも振り向く。
「奴らを片付ける許可、を……」
『…………』
「…………」
ほんの数秒、料理から目を離している隙に50人前分の皿がほぼ空になっていた。呆然と立ち尽くす2人だが、フィリアが小さく溢した『……え?』に
「ん!?あれっ!?これ食べちゃダメなやつだった!?」
と反応したのは、本日挙動不審が目立つ入間だ。今も考え事をしていたからか、無意識に目の前の食べ物を口に運んでいた様子。
「いえっ!そうでは……え……?よ、よくお食べになられるのですね……」
アスモデウスの疑問もごもっともである。入間はとても小柄な少年。50人前をペロッと食べるなんて誰が思う?
「そうかなぁ?食べられる時に食べとかないとね!すみません、おかわりー」
まだ食べるのか!?このシェフ泣かしめっ!お前の腹の中はブラックホールに繋がっていること確定だ!
「さすが入間様!」
『良い食べっぷりですね』
感動しているアスモデウスと、そういうものなのだと受け入れることにしたフィリア。周りの生徒達からも「特待生(入間)すげー!」と絶賛の声が。
そんな中──ガッシャァン!と大きな音が鳴り響き、フィリア達が一斉に発生源へと顔を向ける。そこには数々の商品が売店の前に散らかっており、そして継ぎ接ぎの着ぐるみのような姿の売店員カムカムが竹槍を持っている姿が。
「お持ち帰れ」
と怒っている様子のカムカム。怒っている理由は竹槍の先にある。それは
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2020年8月6日 21時