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それに恐怖を感じた者達は「はっ、はいぃっ！」と返事をした。それを聞けば立ち上がり背を向ける。
アスモデウスへフィリアが寄って行けば、動けるようになった生徒達は脱兎のごとく逃げ出した。
その姿が消えるまで眺めていたアスモデウス。無惨に転がる生徒達はいるが、静かな空間になったことで「今のがお前の�牴鳩亘盻儉畛綏�りか」とフィリアに声を掛けた。
『そうです』
家系魔術とは。
家系能力とも言われる魔術で、各家庭の固有能力であり千差万別。その為、能力を使用すると姿形を偽っていようとも、どこの家庭の者であるかの特定も容易いのだ。
フィリアが生徒達へやったのは、魔力で編んだ糸を対象者の足に絡めて捕らえ、伸ばした魔力糸を縮ませて引っ張り、身動きの取れないように対象者の体全体を縛り上げた。そして対象者を縛った魔力糸を収縮、肌に食い込ませて傷をつけたのだ。
「先程から気になっていたんだが……」
『何か？』
「……お前�牋�周期�瓩�？」
悪周期とは。
定期的に悪魔に発生する発作で、破壊衝動や犯罪行為などの悪意への欲求が高まる期間のことである。
アスモデウスはフィリアの様子に違和感を感じていた。入間の用事が優先の為、後回しにしただけで。
だが先程の生徒に対する行動は、ほんの数日の付き合いだけだったとしても、彼女らしくないと思って問い掛けたのだ。
自分の仕出かしたことに気付いて『……いえ。悪周期ではありません』とフィリアは苦笑を漏らし、そして
『あれは只の八つ当たりです♡』
とても素晴らしい笑顔で良い退けた。それを聞いて頬を引き吊らせるアスモデウス。大きくため息を付き「はぁ……入間様や私に面倒を掛けるなよ……」という一言だけ注意を口にした。
「それとお前がそれだと入間様がご心配される。近くにいる者を、もう数人程伸して行くか」
ついでのように、とんでもない提案まで添え、それに『確かにそうですね』とヤル気満々のフィリア。近くにいる生徒達に告ぐ！今すぐ逃げろっ！理不尽な攻撃を受けるぞっ！！
『……なーんて。先程の人達のお陰でスッキリしました。なので大丈夫です』
「……そうか。……ならば入間様の元へ急ぎ戻るぞ！ウァラクが暴れているかもしれんっ！」
フィリアの返答を聞く前に駆け出したアスモデウス。一拍遅れで『はい』と返答し走り出したフィリア。
対抗心を互いに出したりしながらも、なんだかんだと馬が合っている２人のようで一安心である。……ついでに。他の生徒が理不尽な思いをしなくて済んだことにも一安心だ……＿＿。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (
レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2020年8月6日 21時
