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ショックから抜けていた力を、ぐっと入れて起き上がったカルエゴ。その様子にフィリアは手を貸そうとして伸ばした。
だがその手を止める。カルエゴから漂う怒りの籠った魔力の本流に、動けなくなったのだ。
「ふ、ふざけるな貴様ぁぁあっ!!今すぐ契約を解除しろっ!!」
『せ、先生!落ち着い』
怒りでフィリアの言葉が耳に入っていないカルエゴは、入間へ威嚇
「さもなくぶぇああぁ!!?」
した結果、何処からともなく落ちてきた雷に体が穿たれるという処罰(しつけ)が下った。
「先生ーー!?」
『だ、大丈夫ですか!?』
床に転がった黒焦げヒヨコの一丁上がりである。
さて。何が起こったのか説明しよう!召喚とは、悪魔が魔獣を使役する儀式。または人間が悪魔を使役する儀式である。
そして今回使った羊皮紙にはカルエゴの印が入っているもので、誰も知らないが入間は人間。その結果は──知っての通りだ。
転がっているヒヨコを抱き上げたフィリア。心配しての行動ではあるのだが、内心では役得だとも思っている。
「こ、これってどうすれば……?」
「前例がありませんからね……」
『ここは理事長先生に助言を頂くというのは?』
「それだっ!」
カルエゴを抱えたフィリアと入間は急いでサリバンの元へ。本日は自宅業務という事で、自宅へと急いだ。
入間の自宅前へ到着したと同時にカルエゴが息を吹き返し、ヒヨコの姿から元の姿へ戻った。サリバンへの面会は直ぐに行われ、部屋の一角に三人で正座しながら事の顛末を説明──その結果。
「いや〜、ほんと!悪魔を召喚なんて前代未聞だよぉ。解除?ムリムリ!がっつり1年契約の儀式だし!」
と大笑い。ついでのように「ムリに解除したら、多分、君ら死ぬよ」と死の宣告まで受け、カルエゴの精神的ダメージは頂点を貫き力無く倒れる。
『「せ、先生ーー!?」』
それを見たフィリアと入間の声が、辺りに響いたのであった____。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2020年8月6日 21時