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「心して掛かるように」
と、カルエゴは入間の横を通り過ぎた。生徒達へ「並べ！粛に！！」と指示をしている姿を、じっと見つめ続けるフィリアの目にはハートマークが浮かんでいる。
そんな彼女の横では、「敵意丸出しですね。あの男」とカルエゴを睨み付けながら入間に声を掛けるアスモデウス。それに「うん……」と悩むように返事をした入間へ
「ご命令とあらば特攻しますが！？」
「いや！だめだめっ！そんな命令しないからっ！」
「そうですか……」
意見を述べたが拒否をされて、アスモデウスは肩を下げる。そんなやり取りをいつまでもしていて動かない３人へ、カルエゴは声を荒げ
「そこっ！早く並べっ！！」
『はぁい♡先生♡』
声掛けられたことに嬉々として返事をするフィリアだった。
自分の順番になるのを待ちながら、整列するフィリア。その後ろにはアスモデウス、そして入間と続く。
前に並ぶ生徒達が順に終えていけば、大広間には様々な魔獣の姿が増えていき
「いろんな種類がいるね」
『そうですね』
と、入間とフィリアの二人は何処か空気が和んでいる。獣型や、鳥型、水生生物のような魔獣を眺めている入間と違って、フィリアの視線の先はカルエゴだ。
「……もしかして、フィリアは先生を探してたの？」
『はい』
「なんで？」
『それはもちろん』
フィリアが入間の問いに答えようとしたところで「次！」と、カルエゴの声に制され『はぁい♡』と駆けていった。
「我々に対する態度と、カルエゴ卿への態度に差を感じますね」
「そうだね。……なんか、フィリアがアズ君に見える」
「私とシュリーヴのどこが似ていると！？」
「え！？あっ……えっと……」
アスモデウスは入間に御執心なところがあり、入間の言うことは絶対だが、他者を遠ざける傾向がある。
そしてフィリアはカルエゴに御執心で、他者への態度が冷めている訳ではないが、誰に対しても一律な傾向がある。
簡単にいえば、アスモデウスは入間狂信者(バカ)でフィリアはカルエゴ狂信者(バカ)だ。
入間は、アスモデウスのこともフィリアのこともバカにしたりはしていない。ただ自分に対するアスモデウスの言動と、フィリアのカルエゴに対する言動が似通っているような気がしているだけである。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (
レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2020年8月6日 21時
