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私の感情が伝わるように、足場の狭い鉄のポールの上をぴょんぴょん跳ねながら伝える。そんな私を囲むように見下ろす三人。ほら。地面だとみんなの首が痛くなるかもじゃん。だから丁度良いところにあったポールの上に飛び乗ったんだ。
「おーおー、元気いっぱいだな」
「今日もAは可愛いねぇ!」
「転がり落ちるなよ」
伊達さんの注意の言葉はちゃんと耳に入ったが、そんなヘマはしないよー!って暢気にぴょんぴょん飛び続ける。
『みぅー。みゃ。みゃっ!(それでねー。バーボンも見た。アイツも相変わらずメンドクサイんだっ!)』
先程とは違う意味で感情が高ぶり、ちょっと興奮し過ぎたようで……。ちゃんと足場へと着地したつもりが、ずるっ……と後ろ足が足場を踏み外して宙へと移動した。
『み゛!?』
「なっ!?」
「言ったそばから!?」
「ギャーッ!?Aーっ!?」
鉄のポールから投げ出された私の身体。お尻から落ちて行きそうだったところを前足で踏ん張ろうと引っかけたせいか、背中が地面へと向いて落ちて行く。私の視線に入るのは吃驚仰天している三人の顔。
私を掴もうと手を伸ばす三人。それぞれの頭が中央へと集まっていけば──ゴツン!!という重くて鈍い音が鳴ったのを聞きながら、私はくるんと身を翻して地面へ着地。
そろ〜……っと顔を上げて様子を伺えば、額や頭を抑えている三人の姿が視界に入った。
「いっったぁぁぁ!?」
って声を上げながら、勢いよく体勢を戻し両手で頭を抑えている萩原さん。
「っ──!?」
声になってない声を上げながら、片手で額を覆って痛みに耐えるように奥歯を噛みしめている伊達さん。そして
「ッテェ……!!」
頭の天辺に片手を置きながら、涙を目に浮かべつつ蹲っている松田さん。サングラスの隙間から視線が合えば
「……一匹ケロッとした顔しやがってッ……」
頭の天辺をツンツン!って突っつかれ、ぐりぐり〜っ!て下へと押さえつけられた。怒られるのも無理はないって分かる。なので
『みゃぁ……(ごめんなさぃ……)』
って謝罪を述べるしかない。
みんなにとって良いお話をしに来たはずのに、まさかのアクシデントでしょんぼり気分に陥ることになった報告会は終わった……。……私の話がちゃんと伝わってるかどうかは……。私は通じてるって信じてる__!!
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雪丗(プロフ) - マナさん» サッカーのアニメだという認識しかありません…。申し訳ないです…m(__)m (2021年6月17日 22時) (レス) id: 870296b562 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 雪丗さん» アニメでイナズマイレブン知ってますか? (2021年6月17日 17時) (レス) id: 080dd1eb98 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ふぉん鴉さん» 明けましておめでとうございます。早々に覗きに来て頂き、ありがとうございます(^^)これからも少しずつ更新していきますので、何卒よろしくお願いしますm(__)mふぉん鴉様もお体にお気をつけてお過ごし下さいませ(*^^*) (2021年1月2日 10時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - あけましておめでとうございます!去年は楽しく読ませて頂きました!今年は特に体に気をつけて頑張って下さい。今年もよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年1月1日 19時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 夏蜜柑さん» 何度も読み返して貰える程、好いて頂いているなんて…この作品は幸せ者です。作者も幸せ者です(*^^*)ありがとうございます。なかなか更新できずに申し訳ありません…(><)ゆっくりでも進めて行こうと思っておりますので、これからもよろしくお願い致しますm(__)m (2020年6月20日 11時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2020年5月6日 11時