貴方のために出来ること part.17【名探偵コナン】

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現在、私の苦手な夏真っ盛り。そんな中、体毛少ない人間の時ですら辛いのに、全身毛むくじゃらの猫の姿で長い間外にいてみろ？このままじゃ死んじゃう……。


『みぅ〜……みゃぁ……みぅ〜……みゃみゃぁぁ……(開けて〜……助けてぇ……お水恵んでぇ〜……干からびちゃうぅぅ……)』


我慢し(抑え)ていたものを解放してしまえば、好き勝手に身体が動く。普段ならやらないのに、目の前の扉へ爪を立てて、カリカリカリカリ……引っ掻きながら鳴き続けた。


少しすれば音や声に気付いてくれたようで、こちらに近付いて来てくれる気配を扉の向こう側から感じ、


『みゃあぁぁぁ……！(開けてぇぇぇ……！)』


最後の気力を振り絞って声を上げる。


ゆっくり開いた扉から顔を出し、私と視線が合えば


「A！？なんでここに！？」


と声を上げられた。驚愕の表情をしながら固まっている諸伏さん。普段なら第一に挨拶をするところなんだけど


『みぅぅ……(お邪魔しますぅ〜……)』


と一声だけ掛けたら、足元をすり抜けて涼しい部屋へと侵入。


玄関の手前、フローリングの床との境にある段差。そこに顎を乗せるような体勢で、ヘタリ……と倒れ込む。


『みゃぁ……。みぅぅ……(毛に覆われた顎じゃ冷たく感じなぃ……。お水ぅぅ……)』


そんな私の様子に「わっ！？ちょっ！？え！？」って驚愕の言葉を漏らしながら、ゆっくりと身体を持ち上げられた。すると


「うわっ！？身体熱！？もしかして熱中症！？大変っ！！」


大騒ぎになってしまった。もっと早くにギブアップしてれば良かったんだね……。申し訳ないです……。








──私は今、諸伏さんに用意してもらった氷嚢の上で寛いでおります。お腹冷たくて気持ちいい……。もちろん直で乗ってる訳じゃありません。私と氷嚢の間にタオルの隔たりがあります。


『みゃぁ……(じわじわと足やお腹に感じる冷気が良い……)』


ころんとひっくり返れば、側面や背中も冷やせられる。それに立ち上がって三歩ほど足を進めた直ぐ側には、お水がいっぱい入った小鉢も置かれてるんだ。


実はこれ二杯目なんだよね。一杯目を出して貰った際、飛び付くようにお水へまっしぐらだったから。


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