貴方のために出来ること part.16【名探偵コナン】

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何回シャワーのスイッチ押したかわかんないし、何回足を使おうかと思ったかもわかんないけど、何とか頭を洗い終わった。よく我慢したわ。


次に入るのは乳白色の湯船。ちゃぷんと体を浸からせながら、温泉の効能を肌に塗り込むように手を動かす。視界の端に入った湯船に浸かってる自分の体は、まったく見えない。これだけ色が濃いと


(半獣になってもわからないんじゃないかな？耳さえ気を付ければ)


ってバレたら、色々とヤバイことを考える。このまま浸かっていたら、無意識に半獣になるかもしれん。それはよろしくないので出よう。


乳白色のお風呂から出た私は、一度シャワーを浴びに洗い場へ。シャワーを浴びて万全な状態になったところで、私は露天風呂へと続く扉へ向かった。


横開きの扉を開ければ、目の前には綺麗な景色が広がる。雨が降っても入れるように木材の屋根が付けられていて、岩石で形作られた浴槽。無色透明なお湯は、浴槽の床を濁りなく写す。


そして露天風呂の先には、所々緑も残っているが黄色や橙といった紅葉の広がる山々。それらを照らす夕焼け。全体的にオレンジ色が目立つ。だが雲もいくつか浮かんでいるため、アクセントの様な白色。


とても綺麗な光景に吸い寄せられるよう浴槽へと進む足。ちゃぷんと太腿までお湯に浸かりながら奥まで進む。目の前に広がる景色を見ながら思うここと言えば


(この山のどっかにバードウォッチングしに来てる人がいたら、普通に見られるんじゃね？)


だった。もう何もかも台無しのことを考えるっていう。さすがに私の視力でも木々が生い茂った山の中に、人がいるかどうかは見えないからわからない。気配はいっぱい感じる。でも動物の可能性大だ。鳥飛んでるし。


肩まで浸かりながら景色を見ていれば、この旅館の常連さんだと言うおば様が教えてくれた。正面にある山はとても険しく急勾配なため、人の立ち入りを禁止していると。それでも入るやつがいたら、命知らずなやつらしいよ。情報提供ありがとうございます。


思う存分お風呂を堪能した私。だいぶ長風呂したわ。「夜や朝の景色も良いから、時間があれば入りに来ると良いよ」とおば様に助言を頂いたので、是非ともまた入ろうと思います。


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