貴方のために出来ること part.16【名探偵コナン】

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松茸の入ったタッパーを差し出す。さすがに桐箱は無いっつって、タッパーに詰められた松茸。神谷曰く、松茸は水分を嫌うからと一本ずつキッチンペーパーで巻いて、丁寧に仕舞われたもの。食いもんへの敬意がすげぇわ。


タッパーを受け取った叔父さんは、中身を開けて驚愕の表情。まあそこそこにデカイ松茸が５本も入ってりゃ吃驚するわな。


「ま、まさか……Aちゃんが……？」


「買ったんじゃねぇよ。ちゃんと採ったやつだ」


「いやいや！だからって５本も……！」


「全部で採取したの51本だからな」


「……松茸ってそんなに採れるものだったか？」


「知らねぇ」


高級な食いもんつうのは知ってっけど、松茸の採取量なんてマジで知らねぇ。採れたんだから採れんだろ。採らずに諦めたのも合わせりゃ80本くらいは見た気がする。数えてねぇからわかんねぇけど。


「……買ったんじゃないんだな？」


「あぁ。嘘じゃねぇよ」


「そうか。うちに５本は多いから、２本は持って帰れ」


「いいよ、こっちは……。叔父さんが食え」


「何言ってんだ。姉さんも食いたがるだろうし」


「母さんが松茸料理なんて作れるわけないだろ。焼いただけで終わるわ」


「はははは！良いじゃないか！それでも！新鮮なんだ！美味いぞ！」


「……まぁそうだろうが」


「それに、もしかしたら美味いものが食べたくて料理本片手に奮闘するかもしれないぞ？」


叔父さんの言葉に「それはねぇな」とキッパリと否定しておく。母さんのこったから、自分で作るより“作れ！”か“加工したものを持ってこい！”って言うに決まってんだろ。分かってるくせに何言ってんだ。って呆れ目を向けつつ内心で思う。


それが伝わったらしく苦笑を漏らす叔父さん。それでも俺に「持って帰れ」とタッパーから３本取って突っ返してきた。


(焼き松茸成功か。良くて焼けただけか。少しマシなのが半焼けか。少しの失敗で塩コショウの分量間違えか。悪くて黒焦げだな)


手元の松茸の未来はどれになることやら……。成功率が１/４もねぇっつうそんな未来にため息が漏れる。


「それで！？」


「あ？なにが？」


「Aちゃんだよ！」


「だからなんだよ……」


いきなり声を荒げたかと思えば、興奮したように勢いよく顔を寄せてきた叔父さん。近けぇな……と一歩後ろに下がれば


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