継いで②【オリジナル】 (ページ11)

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土属性では、ウサギ型の土人形が地面を歩いている。残念ながらぴょんぴょんと跳ねさせることが出来ない。地面から離れてしまうと、すぐに崩れてしまうから。

『どうすれば本物のウサギの用に跳ねさせられます？』
「その土人形を形作る魔力と、動かすための魔力を持続させることが出来るようになれば、地面から離れても崩れることはない。このまま行けば、近いうちに出来るようになる」
『はい！』

そして最後は、毎回何かしらの失敗をしている火属性。右手の五指に灯した火を、手の平の中心へ一つに集める。空いている左手を火に近付け、また肩幅まで手を離す。両手を繋ぐように長細く延びた火。もう一度両手を近付けて離せば、火は左手の平へ移動。左手を握り締めれると同時に、火を消し、今度は開くと同時に火を灯す。それを数回繰り返していれば

「A、気負い過ぎだ」
『う！？』

いつの間にか近くに来ていたゼオンに、額を小突かれた。その衝撃に、両手の間で延びていた火が中間で割れ、そのまま燃え尽きて消える。右手で額を撫でながら、彼を見上げると呆れたような表情。

「火を使う度に肩肘を張るつもりか？もう少し気を楽にしてやれ」
『でも』
「前にも言っただろう。“俺がいる限り魔力の暴走など起こさせん。小娘程度の力など取るに足らぬ”と。失敗を畏れていたら成長するものも止まるぞ」
『それでもっ！』
「むしろ今のうちに多くの失敗をしておけ。その経験を次に生かすといい。失敗から学ぶこともあるものだ」
『……ゼオンも失敗したことあるのですか？』
「失敗したことがない者など、生まれたての赤子だけだろう」

あのゼオンが。何でも知っていて、とても強い彼が、どんな失敗をしたのか聞いてみたかった。……なのに

「大なり小なり、生きている者は失敗をするものだ。完璧な奴など……、いやしない……」

ゼオンは顔を横へと逸らす。その表情からは悔しげな、どこか怒りも込められているのを感じ取り、聞いてはいけないことだと口を閉じる。けれど、何て声を掛けて良いのかも分からなくて……。

彼を見ている私の目には、二つの情報を得られる。一つは表情。もう一つは彼の体から発せられる穢れの量。

穢れは負の感情から発するもの。誰かに対してなのか、自分に対してなのかまではわからないけれど、生活していく上で不安や不満、そして焦燥などは付いて回るもの。だから誰の体からでも、穢れは僅かに流れ出ている。もちろん私も同じ。