貴方のために出来ること 番外編part.3【名探偵コナン】

防衛は大切……でも、ほどほどで。 ページ41

「しばらくは猫の姿で外出禁止だ」

との言葉が頭上から聞こえた。まさかの散歩禁止発令に『……え？』って顔を上げる。

「さっきも言ったが、何処にウイルスが付着してるか分からない。それだけじゃなく誰が感染しているかも分からん。お前は可愛いから、いろんなやつが寄って来ては触るだろう。撫で回したくなる気持ちは分かるが危険すぎる」
『さ、触らせなければ良いってことだよね！』
「ダメだ」
『なんで！？』
「ウイルスに掛かった者がくしゃみをして飛沫が四方に飛び、偶然通りかかったお前に掛かって感染するかもしれん」
『誰に対しても一定距離を保てば！？』
「飛沫の掛かったところを偶然通り、毛繕いなどをして口に入るかも知れん」
『偶然が多いっ……！』
「何があるか分からんだろう。最悪を想定しておかなければ。ということで禁止だ」
『そんなぁ……』

私の楽しみが……息抜きがぁ……。って落ち込みかけた。でも

『猫の姿じゃなければ散歩して良いんだよね！？』
「ああ。いいぞ」
『やったー！』

秀一からの言質を取ったので、両手を天井に向け喜びを表す。人型でも散歩禁止って言われたら、落ち込むどころか確実に泣くだろう。内心で小躍りしていたら

「だが──」

と追加された秀一の言葉に、『ひょっ！？』と奇声を上げることになった。








──それから数日後。
探偵君と遊ぶ約束をしていたので、待ち合わせ場所へ赴く。私の方が先に着いたようで探偵君を待っていた。周りからチラチラジロジロ見られるけど、私は気にしない。

しばらくすればマスクをした探偵君の姿を見つけ、片手を上げながら『しょーねーん』って呼ぶ。

私を見た瞬間、目玉を剥いたような表情に変貌した探偵君。変顔披露しろなんて言ってないぞ。


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