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「Aさ『昴が』」
と付け足してやれば、カウンターに力なく項垂れゴンッと額を打ち付けたやつ。分かってるだろうに懲りないね。
『出来たので運ぶの手伝ってください』
「…………はい」
せっかく綺麗にしたのに、キノコ繁殖されたらたまったもんじゃないので、容赦なくコキ使うことにした。
昼食を食べ終わり、後片付けをする。手伝いをかって出てくれたangelちゃんだったけど、『まだ大敵が残ってますから、お腹をゆっくりと休ませてあげて下さい』とお断りを入れておいた。片付けるものを片付けて書斎へ。
目の前に並ぶ無数の本本本本……。どんだけあるんだ。もしかしたら値打ち物の古書なんかもあったりして。……流石にないか。いや、あるかもしれん。
改めて下から上へと顔を移動させる。多いなー。今日中に終わるのかなー……?なんて考えていれば
「上の方は僕がやりますから、Aさんは無理しないで下さいね」
というバーボンの言葉に思考を戻し、足元にいる探偵君と目線が合うように屈む。そして
『安易に“小さいやつは大人しく下の方を掃除してろ”って言われました。ひどい言い様ですねー。どう思います?』
「……猫さんが卑屈過ぎるんだよ(ジト」
『そんなことありません。今のは嫌味です。絶対……(ジト』
バーボンへジト目を向ける。さっきの仕返しか?おいこら。と言う気持ちを込めて。
「どうしてそうなっちゃうんですか……。僕はただ、Aさんが掃除中に無理をしようとして怪我しないようにと声を掛けただけです」
『何変なこと心配してるんですか。たかが掃除で怪我なんかするわけないでしょう……』
こいつ喧嘩売ってんのか?あん?って、心の中の私のガラが悪くなる。
そんな私に気付いてんのか気付いてないのか、同じように屈んで来たバーボンは、口元を隠すように顔を寄せてくる。
「蘭さん達は梓さんからAさんの事を聞いたんですよ」
『だからなんですか?』
「……まさか自分で設定したこと忘れてるんですか?」
『設定?』
「……アスティは極度の運動音痴でしょう」
『あ』
「……忘れていたんですね」
全くやってなかったから思いっきし忘れてたわ。そうだったそうだった。走れば躓く転ぶは当たり前。場合によっては何もないところでも転ぶんだったな。
以前、梓さんにもそれを実践してみたことあったわ。梓さんにって言うよりバーボンにだったんだけど。あの時は確か……。
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雪丗(プロフ) - こっちゃむさん» そうなんです…安室さんにまで頼ったのに…。しょぼーん…です。癒しをー!頑張ったね!ってわしゃわしゃしてくれる方募集します(笑)ありがとうございます!続編もよろしくお願いします!(*^^*) (2019年6月20日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 夢主さんのふんだりけったりな感じ、いろいろと切ないですね(TT) 安室さんにまで協力要請して頑張ったのに!最終的に赤井さんに怒られるという… 誰か、癒してあげてー!と叫びたくなりました。続編も引き続き応援させて頂きますからね!よろしくお願いします!(^^) (2019年6月20日 19時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜ひかりさん» 応援ありがとうございます。頑張らせて頂きます! (2019年6月4日 23時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 夢主切ないなぁ…更新楽しみにしてます!!ファイトです!!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: d8f09a7a12 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 毎回コメントありがとうございます。励みになっております。更新がのろまですが頑張ります。 (2019年4月24日 0時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年4月5日 0時