貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.7【名探偵コナン】

303, ページ31

──私がカロリーメイトを、ちゅーちゅー吸ってる間に事件解決。誰が犯人か？知らね。カロリーメイトに夢中過ぎて、全く聞いてなかったから。やっぱりあいつらに助手なんて必要なかったじゃん。むしろ私がいない方がスムーズに終わったんじゃね？って思うくらいだ。


こちらに寄ってきた探偵君に『これでご飯行けますね！』と嬉々として声を掛けたら「事情聴取が残ってるから、まだいけないと思うよ？」と死刑判決を下された。


ふらっ……と力なく床に倒れる私。「ちょっ!?猫さん大丈夫!?」と心配気に声を掛けてくれる探偵君だったけど


『ごはんがとおいー……(ｼｸｼｸ』


と泣いた私を見て「……猫さん、もう帰っていいよ……」と本気の呆れ顔で言われた。






──警視庁へ移動し、何とか気力で事情聴取を終えた私。というか事情聴取にならんかった。だってさ。私の知ってることと言えば、叫び声が聞こえたから駆け付け現場に到着。ちらっと現状を見たあとは、空腹に耐えていただけだ。秒で終わ……りはしなかったけど、私の話を聞くのは無駄だと思ったのか、数分で終了した。


担当してくれたのは萩原さんだったよ。終始苦笑してたけど。あ。でも私の現状を知ってるから、クッキーくれた。ご馳走さまです！


個室から廊下へ出れば、探偵君の姿があった。近寄って屈み、視線を合わせて会話をする。


『早いですね？』


「僕子供だから」


『なるほど』


「A姉ちゃんも早いね？」


『事情聴取を受けるほどの情報を持ってないですから』


「……あそう；」


めっちゃ呆れられたよ。こんな会話をしてる間にも、バーボンの方も終わったのか部屋から出てきた。松田さんも一緒に。


「では、ご飯に行きましょうか？」


と笑顔を向けてきたバーボンに、表情一つ変えずに『いえ。帰ります』と答える。


「え"？」


「何で？あんなに騒いでたのに」


『もうそろそろ夕食の時間ですから』


携帯の画面を見せながら言う。現在の時刻は17時。門限が近付いてきたからね。これはもう帰るべきでしょ。


帰る気満々な私に、今度はバーボンが落ち込む。「せっかくのAさんとの食事が……」って呟きが聞こえた。そんなに支払いたかったのか。ならさっさと事件解決すればよかったろ。


.

304,→←302,

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す