貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.7【名探偵コナン】

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それを数度繰り返し、棚に入らない本は抱えて同種類の空いているところへ移動。数冊抱えながら歩いていれば、横を向いているバーボンと視線が合う。行くぞ？とアイコンタクトを送り、何もない所で躓いた。


きゃっ……と軽く悲鳴を上げて前に傾く体。手に持っていた数冊はバーボン目掛けて放る。ぎょっと目を見開くバーボンが見えたが、私はそのままﾍﾞｼｬｯと床に倒れた。「大丈夫ですか!?」とangelちゃんが駆け寄ってくれたので、顔を上げて『私は大丈夫です……あ！本は!?』と正面を見れば、絶妙な体勢でバーボンは放った本をキャッチしてた。


(言ってた通り受け止めたな)


内心でうむ。と頷く。少し離れた所からは


「……受け止めるって言うのは間違ってないけど、受け止めるものが違う……」


とぼそりと呟いた探偵君の声が聞こえた。


(君は何を言ってるんだ。バーボンは受け止めるものを指定してなかっただろ。本は落としたりなんかしたら角がひしゃげったり、痛んだりして怪我(破損)するじゃないか。私は間違ってない)


と自身の行動の正当性を心内で訴えておく。そして私の心の声を感じ取ったのか、昴からは盛大なため息を頂いた。エスパー過ぎるぞ！ちょっとは見逃してくれ！





──バーボンの言動を軽く流しながら、着々と進んだ書斎の掃除。動きに制限は掛かったけど、今日中に終わって良かった良かった。みんなありがとー。


掃除中、私とバーボンのやり取りにご令嬢から「安室さんと恋人なんですよね？」と聞かれ、『お別れしました』とばさりと切り捨てておいた。女子全員に驚かれたのか言うまでもない。「何で別れたんですか!?」と興奮状態になった子達に対して


『私に透さんは不釣り合いだからです』


「そんなこと……！」


『そう思ったからこそ、お別れしました』


間髪入れずに否定する。この話はここまでと言うように、背を向ければ後ろからは


「安室さんはAさんの事をまだ？」


「そうですね」


「私、応援します！」


「ありがとうございます」


なんてやり取りが聞こえた。それに対して私が思うことは


(そんなやつ応援しないでくれ……。めんどうだから……)


と、心の底からげんなりした。それが表情に出てたらしく、私の正面にいる昴は苦笑を漏らし、探偵君は乾いた笑いを溢していた＿＿＿＿。


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