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──しばらく走って、私はピタリと止まった。
「ん?ここに来たかったのか?ただの住宅街だぞ?」
『……みゃぅ……』
「あ。もしかしてバテた?」
『……みゃ』
そうなんです。バテました。本当にこの姿だと体力ないな。あれか。肺活量。臓器も全部小さいからな。
ちょっち休憩って立ち止まっていれば、宙に浮く足。後ろを振り向けば、笑顔の萩原さんの顔がある。
『み?』
「どっちに行きたいのかな?」
『みゃ(あっち)』
正面がT路路になっているので右に顔を向ければ、「んじゃ行くか」と私の頭を一撫でした松田さんは歩き出した。その横に並ぶように萩原さんも歩く。抱えられたままの私が思うことは
(なんだこの至れり尽くせり。サイコー)
だった。
──緑地公園にたどり着けば、萩原さんの手から抜け出して再度走る。後ろから足音は聞こえるけど、心配になり振り向けば追い掛けてきてくれる二人の姿。でも
「A、前向いてねぇとぶつかるぞ」
『み?』
松田さんの注意の声を聞いて前を向けば、大きめの石が目の前に。驚愕に『み!?』と声を上げて、ジャンプで避け華麗に着地すれば、「おおー。セーフ」と萩原さんの楽しそうな声。
(あぶな……顔面打ち付けるところだった……)
結構ギリギリだった……ちゃんと前を見て走ろう。
目的地は緑地公園の一角。緑に覆われていて、人の目にあまり入らない場所だ。そこへと向かっている間、後ろからはこんな会話が
「あいつ一体、どこまで行くんだ?」
「さあ?……あ。もしかしたらお宝見せてくれるのかもよ?」
「宝?……それって犬の習性だろ?猫は功績を見せびらかしに来んだろ」
「そうだっけ?ならAのお気に入りの場所とか」
「あー……昼寝場とかか。猫は自分にとって環境の良い場所探すのうめぇからな」
「そうそう、それ!」
とかなんとか。二人でいろいろと予想を立てているのが聞こえる。
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雪丗(プロフ) - ぬこぬこさん» コメントありがとうございます。瀕死の状態でイチャコラしたら逆にお亡くなりになるのではないだろうか?と思う作者ですが、楽しんで頂けるように頑張らせて頂きます。 (2019年4月4日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 萌えが止まらなくて死にそうなのでもっと赤井しゃんとイチャコラしてください (2019年4月4日 20時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - たぬたぬさん» 残念ながら分岐で映画のお話をやる予定はありません……。申し訳ありません。いつになるかはわかりませんが、もう一つの方でやりたいなとは思っております。ご了承下さい。 (2019年3月24日 8時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
たぬたぬ(プロフ) - そういえば、あの劇場版のルパンVS名探偵コナンってやる予定はありますか?あれ、好きなんですよねー。あのコメディ調がなんとも…FBIも出てくるし、この作品の作風にもピッタリだと思います。もしネタがなくなったら、検討してください! (2019年3月23日 18時) (レス) id: 8546fe5974 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 彩斗さん» この作品を好いて頂き、ありがとうございます。今回は、御迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。これからも楽しんで頂ける作品になるよう頑張らせて頂きます。 (2019年3月10日 11時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年2月23日 15時