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怒っていた時はつり上がっていた目も、衝撃的な発言で見開き、今は悲しげに力なく下がったのがわかる。自分でもわかるんだから、周りなんて
「……なぁ零」
「……なんだ?」
「俺の目おかしくなったのかな?さっきから、チェシャ猫に見えないはずの耳と尻尾が見えるんだよね」
「安心しろ。俺もだ」
「……出てないよな?」
「……出てないはずだ」
ってスコッチとバーボンが、小声でしてる会話が聞こえる。秀一も聞こえたのか、頭を全体的に撫でて耳の有無を確認。
「あ。無かった。良かった。ただの幻覚だ」
「……それは良かったのか?幻覚が見えるくらいだぞ?少し休め」
「その言葉そっくりそのまま返すよ」
ついに私にも、幻覚を見せれるスキルが発現したらしい。わぁい。すきるあっぷぅ。……今は全然喜べない。
秀一は私の味方じゃないの?味方って言ってたのにバーボンの肩持つの?と、しょぼぼぼーん……と悲しい寂しいオーラを散布し続けながら、秀一を見上げる。そうすれば困ったような表情の秀一は私の味方に
「A。これが模擬戦ではなく実践だったなら、お前は降谷くんと同じ判断をするだろう。相手の意表をつく行動も有効だと」
……なってくれなかった。秀一の言うことは、もちろんわかる。フェイントを掛ける行動や、相撲で言う猫だましだって、次の攻撃を相手に当てるための攻撃手段の一つだ。
「ルールを聞いたときに、明確に詰めておかなかったこちらにも非はある。
秀一の言葉に、ぐぅの音も出ない。バーボンへ顔を向け
「納得しましたか?」
そう言いながら、腕の中に来いと言わんばかりに笑顔で両手を広げるバーボン。それを見れば
『…………チェンジ』
「そんなにですか!?」
『お兄さんとか、そっちのお兄さんとか、こっちのお兄さんとかと。チェンジを希望する!』
スコッチや風見さん、他の公安職員数人を指差して訴えるが
「チェシャ猫。これペナルティだから」
『ぐぬぅっ……』
受理されることは無かった。大きくため息を吐いて諦める。秀一の腕をぽんぽんと叩けば、足が床に着いた。イヤなことはさっさと終わらせよう精神で、すたすたと近付いてバーボンの腕の中へ
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雪丗(プロフ) - ぬこぬこさん» コメントありがとうございます。瀕死の状態でイチャコラしたら逆にお亡くなりになるのではないだろうか?と思う作者ですが、楽しんで頂けるように頑張らせて頂きます。 (2019年4月4日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 萌えが止まらなくて死にそうなのでもっと赤井しゃんとイチャコラしてください (2019年4月4日 20時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - たぬたぬさん» 残念ながら分岐で映画のお話をやる予定はありません……。申し訳ありません。いつになるかはわかりませんが、もう一つの方でやりたいなとは思っております。ご了承下さい。 (2019年3月24日 8時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
たぬたぬ(プロフ) - そういえば、あの劇場版のルパンVS名探偵コナンってやる予定はありますか?あれ、好きなんですよねー。あのコメディ調がなんとも…FBIも出てくるし、この作品の作風にもピッタリだと思います。もしネタがなくなったら、検討してください! (2019年3月23日 18時) (レス) id: 8546fe5974 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 彩斗さん» この作品を好いて頂き、ありがとうございます。今回は、御迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。これからも楽しんで頂ける作品になるよう頑張らせて頂きます。 (2019年3月10日 11時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年2月23日 15時