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叔父さんの大声に「そんなはずないでしょう」と頭はディスクに近付き、一枚の紙を見せた。叔父さんへと手渡された紙を覗けば─契約書─と書かれ、市橋さんの名前と印鑑。それに叔父さんの名前と印鑑が押されてる。
それを一通り確認した叔父さんは「こ、こんな文面なかった……」と信じられない物を見ている様子。
何をどうやって契約書の内容を替えたのかはわかんねぇが、相手に嵌められたんだってことだけはわかる。
ふぅ……と息を吐いて心を落ち着かせ、握り締めた拳を弛める。そして頭に顔を向け
「わかったっス。払いますよ」
「航平!?」
「いやぁ〜!そっちのお兄さん、話がわかりますね〜!支払い期日は今週中でどうでしょうか?」
「今週って……明後日までにそんな大金作れるわけっ!」
「いや、今払うっス」
「「は?」」
ボストンバッグから900万を取り出せば、全員が驚愕の顔。最後の1束をテーブルに置けば、はっ!と我に返った頭。そいつの合図で補佐が動く。
「確認します」
「…………」
補佐が確認のため金を持っていき数え始める。その光景を見て叔父さんは困惑していたが、俺は口を開かず男達の行動を見ていた。
──最初の3000万より少ない金額だったから、数える時間はそんなに掛からなかった。契約終了という事で話は付き、解放されたのは金貸しの事務所に入って4時間ぐらい経った頃だ。
「あ"ー……つかれたー……」と背筋を伸ばしてれば、「航平!?どう言うことか説明をしろ!あの金は……!」と詰め寄ってくる叔父さん。俺の胸ぐらを掴み真剣な表情。でも
「……わりぃ、叔父さん。前も言ったけど話せねぇ……いや違うな。話す気はねぇんだ」
視線を逸らすことなく言う。しばらく睨み合いを続けていれば、叔父さんを呼ぶ声に顔を向ける。そこにいたのは
「拓海くん!?なぜここに!?」
「け、啓子に話を聞いて……居ても立ってもいられず……」
最初に言ったが、市橋さんには何も説明してない。通り魔にあったってことは本人も知ってる。だが1ヶ月間寝たままだったのは内緒にしていた。全員で日付がわかんないよう騙していたんだが……まあ終わったあとだからバレてもいい。
「叔父さん、俺が言えんのは一つだけだ。一番頑張ったのは……あいつだよ」
ここに来る前にした神谷との会話を思い出す。
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最近頑張ってください応援しています (2021年5月1日 19時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - リュウさん» れると思わず、そうくるか!と笑ってしまいました。これに関しては予定外過ぎて、お話が頭に思い浮かびません。ふとした時に浮かぶかもしれませんし、浮かばないかもしれません。現在確約は出来ませんので、出来た際にはラッキー!と思って頂けると助かります^-^; (2019年2月22日 14時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - リュウさん» 一日でここまで読んで頂いたなんて…読むのお早いですね゜-゜「面白い」と思って頂けたなら幸いです。梅ちゃんを「いいキャラ」と言って頂き、自分で作ったキャラを褒められると表情筋が緩くなります。ありがとうございます。まさかの「梅ちゃんとの恋愛関係を」と言わ (2019年2月22日 14時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 今日作品を発見し面白くて一気に読ませていただきました。赤井さんとの恋愛も気になりますが、分岐で梅ちゃんとの恋愛関係も見てみたいなぁと呼んで思ってしまうほどいいキャラで好きです^_^今後の展開を楽しみにしています! (2019年2月21日 22時) (レス) id: bec6ee4931 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 蘇央さん» そこまで言って頂けるなんて…感動ものです。作者の書きたいものを書いているので、展開が遅く、赤井さんが出てこないのですが…。少しずつ再会へと進んでいくので、御了承下さい。これからも読者様に楽しんで頂ける作品になるよう作りたいと思います。 (2019年1月29日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年1月27日 11時