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『で、何で喧嘩してたの?』
「喧嘩していたわけではない」
『ふーん?』
「スコッチ、さっきも言ったが俺はFBI……。お前と同じ、奴らに噛みつこうとしている犬だ……。お前1人逃がすぐらい造作もない……」
「あ、あぁ……」
「今仲間に連絡して、向かえに来てもr『それだとちょっと遅い』」
「「は?/え?」」
『……誰か来る』
その言葉と同時にチェシャ猫は隠し持っていたナイフを、スコッチの心臓に突き立てた。大量の血飛沫がスコッチの胸から吹き出す。
「「な!?/え!?」」
刺された筈のスコッチは倒れることもなく、唖然としている。その間にもチェシャ猫はスコッチの後ろの壁に、水風船のようなものをぶつけていた。その様子を見て俺は
「………血糊か?」
「血糊?……本当だ。さっきのってオモチャ……?」
『公安のお兄さんは、早く倒れたようにして目を瞑って!』
「え?」
『FBIのお兄さんは空に向かってこれを撃つ!』
チェシャ猫は拳銃を俺に投げ渡す。
「は?」
『早く!』
チェシャ猫が飛び上がり、外階段の上にある雨避けに、身を伏せた途端……
カン!カン!カン!
という階段を駆け登ってくる足音が聞こえた。スコッチに目配せをし、銃を撃つ。
ドンッ!!
駆け上がって来たのバーボンだった。
「裏切りには……制裁をもって答える……だったよな?」
「ライ!?きさ、ま……」
いきなり地面に倒れたバーボンを調べたが、眠っているだけ。スコッチが寄ってきて声を掛けてきた。
「バーボンは?」
「眠ってるだけだ。チェシャ猫、何をした?」
『麻酔針で寝てもらった』
「どうやって?」
『これ』
「……吹き矢?」
「随分と古典的な……」
『わりと使えるんだよー。それにこれなら偽装しやすいでしょ?目撃者を作ったんだから』
雨避けの上に座り、足をふらふら揺らしながら、ケラケラ笑ってこちらを見ているチェシャ猫。
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雪丗(プロフ) - まぁさん» コメントと誤字の指摘ありがとうございます。誤字は修正いたしました。睡眠不足になりながらも読んで頂けるなんてとても嬉しいです。ありがとうございます。最後まで楽しんで頂ける作品になるよう精進していきます。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 只今睡眠不足になりながら読んで居ますとっても面白いので続きが楽しみです(*´ω`*) 60話目なのですが「不思議の国のアリス」は童話で童謡は歌です。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: bc142c419e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。夢主ちゃんの恋は……どうなるんでしょうかね?作者もうまくいって欲しいと思ってます。ルパンは夢主ちゃんの遊び(イタズラ)相手です!これは変わることはないでしょうw最後まで楽しんで頂ける作品を作れるよう頑張ります。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - このお話では夢主ちゃんの恋が実るのか気になります!あとルパンも好きなので、出てくれてて嬉しいです!これからも頑張ってください! (2018年4月26日 20時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - シーナさん» ありがとうございます。読んで頂いて作者もとても嬉しいです。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年4月18日 17時