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何て考えながら秀一の頭を一撫でして、猫に戻ろうとしたら、腰にある秀一の手が動いた。
『ひぅ!?』
腰からお尻そして太腿へ、するする動く手に肩が跳ねた。
(ちょっ!?ちょちょちょっと待って!!)
「ん〜……」
(ん〜……じゃないよ!?やめい!!)
抱き心地が悪いのか息が苦しいのかわかんないけど、もぞもぞと動く秀一の頭と手に我慢が出来ず、ポンッと猫の姿に戻る。
秀一の腕の中から抜け出し、ベットを降りた。
(む、むりぃぃぃ!!///)
しばらく微動だにせずその場で蹲って、ドキドキと早鐘を鳴らす心が落ち着くのを待つ。
――落ち着いてきた頃にベットに飛び乗り、秀一の様子を伺ったらぐっすり寝ていた。
(セクハラだぞ、このやろー!)
「んぅ……」
ぺしっと軽く尻尾で秀一の頬を叩いたら、声が漏れる。
秀一じゃなかったら、確実に蹴り飛ばして病院送りにしてやったことだろう。
そのまま秀一の顔の横で丸くなり自分も寝ることに。
――次の日の朝、秀一に抱っこされそうになるのを、必死で逃げる私が。
逃げ回る私に「……そんなにイヤか?」って、秀一は悲しそうな顔で聞くもんだから、私が折れるしかない……。
ちょこちょこと秀一の足元に近づき見上げると、秀一は嬉しそうに抱き上げる。
「今日は随分とご機嫌斜めだな?」
『みゃぁ……(秀一のせいだ……)』
「恐い夢でも見たのか?」
『みゃぁ……(秀一が悪いんだ……)』
「ほら、これで機嫌を治せ」
『みぃ?(これ?)』
小首を傾げてみる私に、秀一がしたのは
――――チュッ
『み"!!?』
一瞬にしてぶわっと毛が逆立ち、尻尾が太くなって固まる私。そして満足そうな顔をする秀一。
「じゃあ、行ってくる。良い子にしてるんだぞ?」
『……みゃぁ(……はい)』
私を床に下ろし、そのまま仕事に向かう秀一と、その背を見送る私。扉が閉まり秀一の気配が遠くなったあと
『みゃみゃーー!!(口はやめろバカーー!!)』
っと叫ぶしかなかった____。
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雪丗(プロフ) - まぁさん» コメントと誤字の指摘ありがとうございます。誤字は修正いたしました。睡眠不足になりながらも読んで頂けるなんてとても嬉しいです。ありがとうございます。最後まで楽しんで頂ける作品になるよう精進していきます。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 只今睡眠不足になりながら読んで居ますとっても面白いので続きが楽しみです(*´ω`*) 60話目なのですが「不思議の国のアリス」は童話で童謡は歌です。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: bc142c419e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。夢主ちゃんの恋は……どうなるんでしょうかね?作者もうまくいって欲しいと思ってます。ルパンは夢主ちゃんの遊び(イタズラ)相手です!これは変わることはないでしょうw最後まで楽しんで頂ける作品を作れるよう頑張ります。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - このお話では夢主ちゃんの恋が実るのか気になります!あとルパンも好きなので、出てくれてて嬉しいです!これからも頑張ってください! (2018年4月26日 20時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - シーナさん» ありがとうございます。読んで頂いて作者もとても嬉しいです。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年4月18日 17時