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──ドンッ!!
ジンが口角を上げて言ったと同時に、右脇腹に衝撃が走った。
『ぐっ!?……スナイパーの到着までの時間稼ぎ。さすがー』
「これでも倒れねぇんだな。大したもんだ」
『お褒めに預り光栄です。にゃーんてね♪』
ライフルの死角に身を隠すため走り出すと同時に、ドンッ!!と低い音が響く。先程までいた場所に弾痕が埋まった。
(拳銃でライフル相手は無理。さっきの一撃で骨イッたみたいだし……)
1対50のハンデ戦。
急所には当たってないけど被弾はしてる。体のあちこちで血が流れ、だいぶ疲弊してる。肩で息をしながら、時間を確認。
(……秀一が発つまで後10分)
「さて……、そろそろテメェの相手も飽きてきた」
『んー?なに帰るの?』
「くそ猫を、あの世に送ったらな」
ピンッ……
何かが外れる音がした。嫌な予感がして、その場を駆け離れる。
──カコン!
さっきまで隠れていた場所に、何かが落ちる音。ちらっと視線を後ろに向け、その正体を確認すれば
(手榴弾!?)
──ドォォオンッ!!
爆風に吹っ飛ばされて背中を壁に打ち付けた。
痛いのを我慢し、傷だらけの身体を引き摺って身を隠し気配を消す。
「……死んだか?」
「遺体はありやせん」
「チッ!逃げられたか……」
「兄貴、赤井の方はどうしやす?今から行きますかい?」
「今から行っても間に合わねぇよ……。それに騒ぎすぎた。ウォッカ、帰るぞ」
「へい」
「……次こそ、必ず仕留めてやるからな」
遠くでサイレンの音が近付いてくるのが聞こえ、ジン達は撤収していった。
──車までやっとの思いでたどり着き、乗り込んで大きく息を吐いた。
『はぁぁぁぁ…………死ぬかと思った……』
流石に無茶しすぎたなと反省しつつも、安堵した。
(これで秀一は大丈夫。後は、明美さんか……)
今後の動きをどうするか考えようにも、疲れきった身体と頭では良い案が思い浮かばない。
取り敢えずは家に帰ろうとエンジンをかけ、車を走らせた。
(あー……、気を抜くと寝て事故りそう……)
そんな嫌な想像をしつつも、無事に家に到着した。シャワーを浴び、軽く手当てをして、ベットに倒れる。私は沈んでいく意識に抵抗せず、そのまま眠りに付いた。
──数日後、私の首には秀一から貰った赤い首輪ではなく、チェーンに付け替えられたチャームが揺れるようになる。
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雪丗(プロフ) - まぁさん» コメントと誤字の指摘ありがとうございます。誤字は修正いたしました。睡眠不足になりながらも読んで頂けるなんてとても嬉しいです。ありがとうございます。最後まで楽しんで頂ける作品になるよう精進していきます。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 只今睡眠不足になりながら読んで居ますとっても面白いので続きが楽しみです(*´ω`*) 60話目なのですが「不思議の国のアリス」は童話で童謡は歌です。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: bc142c419e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。夢主ちゃんの恋は……どうなるんでしょうかね?作者もうまくいって欲しいと思ってます。ルパンは夢主ちゃんの遊び(イタズラ)相手です!これは変わることはないでしょうw最後まで楽しんで頂ける作品を作れるよう頑張ります。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - このお話では夢主ちゃんの恋が実るのか気になります!あとルパンも好きなので、出てくれてて嬉しいです!これからも頑張ってください! (2018年4月26日 20時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - シーナさん» ありがとうございます。読んで頂いて作者もとても嬉しいです。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年4月18日 17時