貴方のために出来ること part.11【名探偵コナン】

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『──申し訳ありませんが、お席を空けて頂けますか？』


「なんで？」


『手元のお皿が空になってから、既に5分以上経っております。他にも待って頂いている方々がいらっしゃいますので……』


「なら水ちょうだい」


『申し訳ありません。お冷は扱っておりません。ご注文がお有りなら、メニューに載っているものから選んで頂けると幸いです』


「こっちは金払ってんだけど？」


『存じ上げております。ですが御来店時に御説明したかと……』


「聞いてねぇし」


あ？んなわけねぇだろ。ちゃんと相槌打ってたよな？納得してただろうが。


流石に私も疲れが溜まってきている。しかも空腹も相まっているのでガラが悪い。……言葉使いは梅ちゃんのが移ったのかな？口からポロリと出さないよう気を付けねば。表情とかにも出さないようしているが、気を抜けば蹴り飛ばしてしまいそうで……。


何とか抑えつつ、説得を試みるが聞いてもらえない。まじで放り投げてやろうか。と思った頃


「お待ちどうさん。水だ」


ﾀﾞﾝｯ!と叩きつけるように、テーブルへ紙コップを置いたのは梅ちゃん。ついでのように、相手へとても素晴らしい程の眼光を向けている。相手の口からは小さく漏れた悲鳴。さっきまでは横柄な態度だったが、一瞬のうちに縮こまる。


(こういう人たちの時の梅ちゃんだった。忘れてたわ)


「……おい」


『はい？』


「少し休憩してこい。ぶっ通しだろ」


『……そうですね。お腹も空きましたし。ではお願いします』


「ああ」


そのお客さんから背を向ければ、私を引き留めようとするお客さん。でも梅ちゃんが「注文なら俺が聞きますが？」とドスのある声を掛ける。私が仕切り内に入れば、「帰ります！」ってさっきまでぐちゃぐちゃ言ってた人の声が聞こえた。


ガタガタと帰って行った音が耳に入る。ほんの数秒後、梅ちゃんも仕切り内に入ってきて


「呼べよ」


『忘れてた』


「……馬鹿か」


『あ？(ｷﾞﾛ』


「…………これ食え」


サンドイッチとお茶を渡されたので、聞かなかったことにしてあげた。


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