貴方のために出来ること part.11【名探偵コナン】

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Aside


梅ちゃんへ誘拐犯のアジトらしき場所まで案内して確定を得れば、私もインターネットカフェを後にする。


店を出れば丁度来たタクシーを拾い、誘拐犯のアジト近くの住所を伝え向かってもらう。途中道路が混んでしまい、なかなか進まないことに少し苛立ちが起こった。けどこんな明るい時間に走り回るわけにはいかないから我慢だ。


タクシーに乗りながらも、携帯は繋げたままなので、耳からは梅ちゃんの心境や、行動が何となく伝わってくる。


たまに入ってくる＜お前の今日の飯は、いつもの2/3の量な……＞＜にゃっ!?＞というブチとの会話。何があったか想像するしかないけど、ブチが勝手に行動したのはわかった。なのでフォローだけは入れる。


『……何があったかわかんないけど、許してやんなよー……』


私の言葉に返事は無かったけど、拒否られたような気がしてならない。


しばらく経てば＜飯抜きだ＞とまで言い出した梅ちゃん。可哀想すぎる……。ご飯抜きがどれほど悲しいことか……。それは本気でやめてあげて。お願いだから。と心で祈る。





――タクシーが指定場所に着く頃に聞こえた梅ちゃんの作戦。ご飯を餌に二匹に協力を求めたようだ。さっきまでは邪険に扱ってたのにね。


ビルから数十m離れたところで、タクシーを停めて貰う。料金を払い終えて下りる。タクシーが発進したのを確認後、気配を消してから私もビルへと足を向け駆ける。


梅ちゃんが確認した犯人は三人。まず、三階に一人。四階に二人。最短距離で駆け抜けるため、外壁をひとっ飛びで乗り越えて敷地内に入り正面玄関へ。


西側の階段から四階までノンストップで駆け上が……ろうとしたが、三階には梅ちゃんが倒した犯人が居るはず。にも関わらず気配がない。ふと上階に意識を向ければ、廊下に四人分の気配が


(……まさか！)


ﾀﾞｯ!と数段飛ばしで階段を駆け上っていれば「にゃー！」と二匹の切羽詰まった鳴き声。


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