貴方のために出来ること part.11【名探偵コナン】

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彼はバイトとかしてない。お小遣いでいろいろやりくりしてるから、受け取り辛くても本人的には助かるのだ。それを知ってるから、こういう時に二匹の分も渡す。


梅ちゃんとそんなことやってれば、ミケブチがふら〜と、あるお店に近付いて行った。それを視界に捉えたので見ていれば、お店を覗いたあと後ろを振り向き、私に顔を向けて


「「にゃあ」」


『……なるほど。お前達はブツを寄越せと』


「「にゃ！」」


ミケブチが覗いたお店はペットショップ。二匹が好んで食べているキャットフードが、飾ってあるのが見えるのだ。


『わかったわかった。買ってあげるから』


ミケブチの待つお店に近付いて自動ドアをくぐる。後ろからちょろちょろ付いてくる二匹。でも梅ちゃんは付いて来ない。


後ろを振り向けば、片手を上げ軽く手を振っていて「行ってこい」か「ここにいる」って意味だろうなと解釈してお店に入った。


中に入れば犬、猫、兎、鳥、爬虫類なども扱っているお店。


(こういうお店って犬猫だけとか、鳥や爬虫類専門とかって別れてるんだと思ってたけど。それぞれの専門知識とかあれば、広げても出来るものなのか？)


なんて考えながら店内を見回す。ミケブチは目的の場所まで一直線に進み「早く早く」と急かしてくる。


目的の物を手に取れば、安心したのか二匹はうろちょろと店内を歩き回る。他のお客さんに踏まれんなよって、軽く注意をすれば「にゃ」と返事。


(あの二匹は素早いから、踏まれる前に避けるか)


と眺めていれば、人の居るところに近付かないし、人が寄ってきたら即逃げるを繰り返してた。『本当に私と梅ちゃん以外には懐かないな』って苦笑い。


店員さんやお客さんが二匹に寄って行って手を伸ばす。それをｻｯ!と避けて私の足下まで戻って来た。


『愛想のない子達で、すみません……』


「人見知りなんですね」


『ええ。重度の』


と苦笑を浮かべるしかない。ミケブチは野良なので(野良っぽくないけど)、首輪は付けてないんだ。だから店員さんがいろいろと勧めてくる。けど私は飼い主ではないし、梅ちゃんも飼い主と……言えるような、言えないような？


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