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やはり新ちゃんと同じくらいで、色黒の黒髪少年。肩には竹刀袋を担ぎ、大きな横がけのカバンを持っている。
(……ん?この子、どっかで見たことあるような……ないような……?まあいいや)
ずっと見ていたから怪我とかはしてないのはわかっているけど、念のため確認。
『大丈夫ですか?』
「平気やけど……あの兄さんはええんか?」
『ふふ。彼は問題ありませんよ』
数分もすれば梅ちゃんの勝ち。足元に転がっている不良君達を見下ろしつつ、息を整えていた。
「兄さん、強いんやな」
『そこそこです』
「そこそこて……」
あれでそこそこはないんじゃないか?と、言うような顔を私に向ける少年。私からしたら“そこそこ”って、結構いい感じの評価なんだけど。知らないこの子にはわからないよね。ってクスッ と声が漏れる。
梅ちゃんが近付いてきたので、誰か来る前に退散した方がいいなと思い、立ち上がろうとすれば後ろに数人の気配を感じた。
転がってる不良君達の仲間か?と思って後ろを振り向く。結構良い体格の男達。肩に担いでるのは少年と同じ竹刀袋。
梅ちゃんや足元に転がってる不良君達を見て、顔を歪めた。そして彼等からは不穏な空気が流れる。それを感じ取った私は、少年を抱き寄せた。
「こげん場所で女子供ば巻き込んで喧嘩か?」
「不良なんてんな、どうしようもねぇな……」
「はぁ?」
いきなり言われのない言い掛かりをしてくる男達。梅ちゃんは少年を助けようとした方だ。でも最初から見てなければ、同じ不良が喧嘩をし始めて、私や少年を巻き込んだように見えるかもしれない。
『待っt「待って姉さん!」何です?』
誤解を解こうと口を開こうとしたところで、少年に止められた。今は君の話を聞いてる場合じゃないんだけどね?
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雪丗(プロフ) - そるてぃーらいちさん» 確かに銃刀法違反ですねw本当でしたら剣道に限らず、空手やボクシングなどの武道をやっている人は一般人に拳や竹刀を向けてはいけないんですよね。分かってはいたのですが、梅ちゃんに成長して欲しかったんですっ…!(><)目を瞑って頂けると助かります(^-^; (2020年3月26日 21時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
そるてぃーらいち(プロフ) - 440話位で段持っている人が木刀で喧嘩してて笑いましたw完全に銃刀法違反てすねw (2020年3月26日 12時) (レス) id: 5df2838d1a (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - キキさん» 「面白い」や「夢主ちゃんかっこいい」など言って頂けると書く意欲が湧いてきます。ありがとうございます!作者は現在単純脳なので、読者様にもう1話プレゼントをお送りします(^^) (2019年1月21日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - 今回も面白かったです♪刃物を持った相手にも余裕の夢主ちゃん、かっこいいですね!更新ありがとうございました!これからも応援しています(^o^) (2019年1月21日 18時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 神酒さん» ありがとうございます!これからも楽しんで貰えるように頑張りますよ! (2018年12月18日 17時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年12月2日 15時