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『……いや。そんなに分かりやすかったのかと』
「とりあえず能面みたいな笑顔じゃなかったな」
『能面って失礼だぞ。表情筋が働いてないみたいじゃんか』
「いつも同じ顔してりゃ、能面だろ」
『作りものだってわかるってことか……』
「……いや」
梅ちゃんの否定の言葉に、どっちなんだよってジト目を向ける。
「能面しか見てねぇ奴らからしたら、それはお前だろうな。けど俺みたいに自然体を知ってる奴からしたら、能面顔に見えるってだけだ」
そんなに分かりやすいのか……困ったな……。もう少し自然体の笑顔を出せるよう練習して……笑顔の練習ってなんだ。
「それと」
『まだあんの……?』
「……気を許してない奴に対しては、常時警戒してるだろ」
『何でそう思う?』
「距離感。俺とはこの距離」
梅ちゃんは私達の隙間を指差した。彼の隣に座っている私との間は、大体15cmくらいの隙間がある。
「だが他の奴だとこれ以上の一定の距離が開く。それと抱きつかれてたろ?」
『そだね』
「他の奴だったら、お前絶対避けるだろ。ギリ許せるのは腕くらい。にも関わらず受け入れてた。あり得ねぇだろ?」
『あー……なんかねー。他の人は悪寒がするんだよ……』
「そこら辺はどうでもいい」
話を振っておいて、それに解答したら“どうでもいい”って答えやがった。なんだこいつ。ってジト目を向けてるのに、心底どうでもよさそうにしてるんだけど。殴っていいかな?
「俺から見たら、神谷はミケブチが人間になったように見えんだよな。あいつらは俺やお前以外に懐かねぇだろ。他の人間相手じゃ逃げるか隠れる。ただ腹を立てたら向かっていく。警戒心の強い野良猫。そっくりだろ?」
ニヤッと意地悪い顔で笑う彼。私はというと核心を付くようなことを言われ、表面上を取り繕うことを忘れるほど素で驚いている。
呆けていれば頭に手を置かれ、わしゃわしゃと力任せに撫でられた。
『ちょっと!?』
「面倒見てる猫が他のに懐いてんの見て、少し安心した」
『君はいつから私の飼い主になったんだ……』
ぴよちゃんの癖に偉そうだな。私が君の面倒見てんだよ!ってジト目を向けておいた__。
((梅ちゃん))
((あ?))
((そのケーキ食べる?))
((……お前はブチか))
((にゃんのことかにゃー?))
((……はぁ。……ほら))
((わーい!ありがとー))
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雪丗(プロフ) - そるてぃーらいちさん» 確かに銃刀法違反ですねw本当でしたら剣道に限らず、空手やボクシングなどの武道をやっている人は一般人に拳や竹刀を向けてはいけないんですよね。分かってはいたのですが、梅ちゃんに成長して欲しかったんですっ…!(><)目を瞑って頂けると助かります(^-^; (2020年3月26日 21時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
そるてぃーらいち(プロフ) - 440話位で段持っている人が木刀で喧嘩してて笑いましたw完全に銃刀法違反てすねw (2020年3月26日 12時) (レス) id: 5df2838d1a (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - キキさん» 「面白い」や「夢主ちゃんかっこいい」など言って頂けると書く意欲が湧いてきます。ありがとうございます!作者は現在単純脳なので、読者様にもう1話プレゼントをお送りします(^^) (2019年1月21日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - 今回も面白かったです♪刃物を持った相手にも余裕の夢主ちゃん、かっこいいですね!更新ありがとうございました!これからも応援しています(^o^) (2019年1月21日 18時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 神酒さん» ありがとうございます!これからも楽しんで貰えるように頑張りますよ! (2018年12月18日 17時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年12月2日 15時