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「…………くそ」
「おーおー荒れてんねー」
「……なんだ?」
「……これに目を通してくれ」
苦笑気味に俺に資料を手渡してくるヒロ。この間の案件は、Aさんからの情報提供により解決。今やってるのは、また別の案件。
資料に目を通して思案していれば、「チェシャ猫とは仲直りできたか?」と聞いてくるヒロを睨み付ける。
「してないのか……何したんだよ?」
「……何もしてない」
「何もしてないのに、あれか?それは通じないだろ……。しかも好きな女の子に会いたい為に、経費まで使ってさー」
「情報屋Segretoの腕は確かだ。協力者になって貰えば、これ以上の逸材h「はいはい、そうだな」……」
「んな建前、俺に言っても仕方ないだろ」
「…………」
ヒロは「零が仕事に私情を持ち出すなんて、思わなかったよ」と小さく笑う。それを聞いて「俺も思わなかった……」と眉を下げ肯定する。
───
──
─
Aさんを怒らせてから大分時間が経った。怒らせてすぐに、謝罪のメールを送り、彼女が人の姿に戻っただろう時間に電話も掛けた。
残念ながらメールは既読にならず、電話も受けてくれなかった。それからも何度となく連絡を入れたが、全て彼女が受けてくれることはなかった。
何通送ったかわからないが、全て既読にすらなってない。電話も留守電を入れたが、聞いてくれてないだろう。もちろん折り返しもない。
Segretoを再開したと言うことだったので、彼女の家にも行ってみた。外から確認したとき灯りなどは付いていなかったので、以前と同じように中で待ってみようかとも考えたが……、そんな事したら色々と終わるなという考えに至り止めた。
後日再度彼女の家に訪れれば、灯りが付いていたのでインターホンを鳴らしたが、出てくる気配なし。しばらく粘ったのだが、仕事の都合上断念。マンションを出て彼女の部屋の灯りを確認したら、消えていた。まだ床に入るのは早い時間だし、赤井の居るところに戻るはず。
(……Aさんなら窓から出入り出来るのでは……)
この考えが頭に浮かんだ瞬間、自分の考えの浅はかさに呆れため息が出た。彼女相手に出待ちは通用しないことを思い知った__。
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桜(プロフ) - 雪丗さん» 映画の話し頑張って下さい!! どうなるかな?どうなるかな?? わくわくしながらまってます! (2018年12月17日 17時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» ありがとうございます!! またメッセージしたのでお願いします。 (2018年12月16日 9時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» 送りました。 (2018年12月15日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» 凄く気になるんだけと……メッセージの返答お願いします。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» はい。今回は真純ちゃんです。どうなるかは次回をお楽しみに。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月25日 10時