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(さっさとバイト止めろよ!お前やることたんまりだろ!!)
と心の中で叫んでたけど、そんなことよりさっさと退散しなければ。ってことで、探偵君の腕から抜け出すことに。
もぞもぞと動けば、探偵君は首を傾げて「どうしたの?」なんて聞いてくる。ちらっとポアロへ視線を向け、探偵君へ戻す。すると「あ」って気付いたようで、苦笑交じりに地面に下ろそうと彼が屈もうとしたら
「コナン君おかえり。と……服部君だったかな?」
「ども」
ピシッ! と固まる私と探偵君。声の聞こえた方は探偵君の後ろ。だからまだギリギリ私は見つかってない。そろーっと顔だけ振り向く探偵君は、声の主に挨拶を帰す。
「た、ただいま……安室さん。えっと……買い出しかな?」
「そうなんだ。材料が足りなくなっちゃってね」
次第に近付く足音に、『こっち来んな!』って心で叫ぶ。でもその思いは通じないだろう。だって探偵君の向いている方に、ポアロがあるんだもん。バーボンの目的地もそこだ。
(買い出しで忘れたものないかな……。そしてスーパーにUターンしてくれれば、とてつもなく嬉しい。けどバーボンがそんなヘマをやるとは思えない……。でも希望を捨てたらそこで終わr「A!」……希望なんてないんだ……)
私を見つけたバーボンは、探偵君の横にしゃがんでくる。通る人の邪魔になるからどっか行けよ。って睨み付けるが、私のそんな視線は笑顔で弾き飛ばす。そして荷物を抱えた両手を広げて「A、おいで」って呼んでくるが、バーボンとは逆の方に顔を向けておく。
「あ……」って悲しげなバーボンの声と、探偵君の「アハハ……」と乾いた笑いが耳につく。そして色黒君の「分かりやすいほどの拒否やな」って言葉に
「拒否だなんてそんな。今日はたまたま気分が乗らないだけですよ」
バーボンの姿は見えないが、おそらくいつもと変わらぬ笑顔だろう。言い方も優しげだ。だけど色黒君は焦っている様子を見せる。
(年下相手に大人げない……)
と呆れてしまう。バーボンの言葉には僅かに怒気が含まれ、彼のいる方から寒い空気が漂ってくるからだ。内心でため息を付く。
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桜(プロフ) - 雪丗さん» 映画の話し頑張って下さい!! どうなるかな?どうなるかな?? わくわくしながらまってます! (2018年12月17日 17時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» ありがとうございます!! またメッセージしたのでお願いします。 (2018年12月16日 9時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» 送りました。 (2018年12月15日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» 凄く気になるんだけと……メッセージの返答お願いします。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» はい。今回は真純ちゃんです。どうなるかは次回をお楽しみに。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月25日 10時