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とてとてと人様の外壁の上を散歩中。家主さんが偶々庭に出ていれば、『お邪魔してます』と鳴いて挨拶。目の前に同族が同じように散歩してれば、しばらく見つめて譲ってもらう。
天気が良いので、ふんふーん♪と心の中で鼻歌を歌い、尻尾をふーらりふらりと左右に振りながら散歩を続けていれば「猫さん」と声を掛けられた。
道路側を見下ろせば、探偵君の姿。ぴょんっと外壁から下りて、地面に着地し今度は見上げる。
『みゃあ(やぁ少年)』
「散歩?」
『みゃ』
肯定を返せば両手で体を持ち上げられ、目の前に探偵君の顔。
「赤井さんの所に帰るところ?」
『みゃう。みぅみぅ(違う。秀一の所から抜け出してきたところ)』
「…………わかんない」
『みゃみゃ(頑張って推理してくれ)』
お前の頭脳ならわかる!……かもしれない。まあ何回も会話してれば、鳴き声の違いでわかるみたいだよ。松田さんと萩原さん曰く。
「んー……散歩だよね?」
『みゃ』
「帰るところ?」
『みゃう』
「……帰らない?」
『みゃ』
「まだ散歩するの?」
『みゃ』
「どこに?」
『みぅ(適当)』
「……うーん。最後はわかんないや」
あはは……って苦笑を漏らす探偵君。最後ってことは他はわかったんだね。って尻尾で彼の頬を撫でる。擽ったそうに目を細める彼を見てれば、首根っこを捕まれる感触。そのまま上に引き上げられた。
『「み!?/え?」』
「工藤、猫と会話なんぞしとんかいな。寂しいやつやのう」
私を捕まえたのは、色黒のキャップ帽を被った青年。自身の頭の上まで私を持ち上げ、下から見上げるようにしてる。
(……なんかどっかで見たことあるような……ないような……?)
探偵君を“工藤”って呼んだってことは、彼の正体を知ってる人ってこと。どこだっけ?誰だっけ?って頭を悩ませる。
「服部、猫さんを下ろせ。噛みつかれ……噛みつく?」
『みゃう(噛まない)』
「とりあえず怒らせると怖いぞ!」
「子猫相手に何ビビっとるんや……」
探偵君へ向けて呆れ顔をする青年。でも探偵君の発した言葉で誰だったか思い出した。西の高校生探偵・服部平次。以前探偵君と推理勝負してたわ。
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桜(プロフ) - 雪丗さん» 映画の話し頑張って下さい!! どうなるかな?どうなるかな?? わくわくしながらまってます! (2018年12月17日 17時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» ありがとうございます!! またメッセージしたのでお願いします。 (2018年12月16日 9時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» 送りました。 (2018年12月15日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 雪丗さん» 凄く気になるんだけと……メッセージの返答お願いします。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» はい。今回は真純ちゃんです。どうなるかは次回をお楽しみに。 (2018年12月15日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月25日 10時