貴方のために出来ること part.8【名探偵コナン】

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じっと待っていれば、やっと顔を上げた探偵君。その顔を見れば、僅かに目に涙が浮かんでいた。


「……ごめんなさぃ……」


小さな声で絞り出すように言った謝罪の言葉。謝ったから『はい終わり』って訳には行かない。なので少しだけお話しすることにした。


『貴方の夢は素晴らしいと思います。以前と変わらず応援しています。ですが貴方はまだ子供。大人の力を借りなくては何も出来ません。私も大人という程の年齢ではありませんが、見た目がどうであれ貴方よりは年上です』


まあ言いたいことを纏めると、“年上の言葉は聞きなさい”だ。


先程も少し触れたが、あの立て看板は重量がそれなりにある物だった。成人男性でも当たる場所によっては骨折する可能性もある。だからあのまま探偵君が下敷きになっていたら、大怪我していたことだろう。こんなことまで探偵君に言うつもりはないが、“危ないんだぞ”ってことだけ伝える。


話を聞き終わった探偵君は、顔を伏せて再度謝ってきた。その探偵君の頭を撫でてあげながら


『貴方に怪我がなくて良かった』


「あ、ありがと……A、……姉ちゃん//」


恥ずかしいのか少しだけ頬を染め、いくらか上目遣いになりつつ言ってくる。私は笑顔で『今度からは気を付けましょうね』なんて言ったんだけど、内心では“なんだこの可愛い生物”と悶えていた。


“小さい子が好き”と言う人達の気持ちがわかった気がする。子供の頬染めつつ上目遣いの破壊力……。


そんなことを考えつつ、阿笠博士に自宅まで送ってもらった＿＿＿＿。


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