貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】

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赤井side


突っ込んできたクレーン車が潰れる寸前に、白いものが飛び出すのが見えた。何故かわからないがそれが気になって仕方がない。急ぎ観覧車から降り、白いものが何かを確認しに走る。


(……何故こんなに胸騒ぎがする)


落ち着かない心を、抱えながら懸命に足を動かした。燃えているクレーン車の近くに到着し、観覧車から見た白いものが飛んだ方へと足を向ける。


(確かこの辺だったな……)


ガサッと植木を掻き分けると、そこには血だらけの白髪の娘。


「おいっ!?」


生存確認をすると、息はしてるが弱々しい。血の気を失い、真っ青な顔色。手足も冷えきっていて、生きているのが不思議なくらいだ。


この騒ぎで救急車も来ている。俺は死んだことになってるから、表立つことは出来ない。救急隊員の目に入る場所まで、運ぼうと横抱きにしようとした時に気が付いた。こいつの服装に。


「……チェ、シャ……？」


夕方別れた時に見た、チェシャが来ていた服装そのものだと。頬を触れば、マスクの感触などなく冷たい。


サァッと自分の顔から、血の気が引くのがわかる。胸騒ぎの原因はこれだと確信した。急いで抱き上げ、自分の車に走る。


「頼む、チェシャ！死ぬなっ!!」


車に戻り、助手席を倒してチェシャを寝かせ、携帯をスピーカーにして電話を掛ける。“早く出ろ！”と心で叫びながらも、その間にチェシャの服を捲り上げ、傷の状態を確認。今、出来る限りの応急処置をする。


「……私だ」


「ジェイムズ！至急、杯戸病院に受け入れ態勢の要請の連絡を!!重傷者１名！傷の状態は――!!」


今出来ることを全てやり終え、運転席へ乗り込む。エンジンを掛け、急いで病院方面に走らせた。


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