貴方のために出来ること【名探偵コナン】

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赤井side


拾ったときからずっと考えていた。この猫の事をどうするか。
中途半端に拾い、助けて良かったのか……。
飼えないのなら最初から拾うべきではなかったんじゃないかと……。


最初こそ逃げ出そうとしていたが、何日も一緒にいれば愛着も湧いてくる。


そういえば逃げようとしなくなったのは、俺がFBIになりたいと話をした時からだったな。


こいつからしたら、何を言ってるか理解なんて出来ないはず。だが俺が話している間も目を逸らさず、俺の顔をじっと見ながら大人しく聞いていた。


その時、何を話してるのか理解している。
こいつは頭が良いんだなと確信した。


それからは他愛もない話をあいつにしたり、息抜きしたくなったらちょっかいを出したりもした。
逃げもせずに嫌がりもせず、俺の気がすむまで相手してくれて。
逆に俺が真剣に勉強してるときは、様子を眺めるか昼寝をしてるかだけで、邪魔なんてしなくなった。


(こいつだったら飼っても良い。……いや、こいつを飼いたい。それにはまず、名前を付けないとな)


なんという名前が良いかと、窓辺で大人しく座って外を眺めてるあいつを見る。
この時ふと思い浮かんだ名前が“A”だった。


名前が決まれば、俄然と飼いたい意欲が湧いてくる。


(あいつの怪我が治ったら話をしよう)


そう決意して逸る気持ちを落ち着かせながら、今はやるべき事に集中することにした。


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