貴方のために出来ること【名探偵コナン】

16, ページ17

“俺と家族になろう、A”


という秀一の言葉で、心がすごく暖かくなった。


―――
――
―


「10358！さっさと次のプログラムに向かえ！」


「10358、今日の薬だ！これに耐えれば、また一歩オリジナルに近づく」


「お前達はオリジナルを越えなければ劣化品だ！」


「存在する価値すらない！」


「お前達は道具なんだよ！変わりはいくらでもいる！」





傷の手当てなんてされたことも、したこともない。


心配されることもない。


いつもいつも身体中痛かった。


いつも寒かった……。


私はここにいる意味があるの？


私が生きている意味は何？



≪――私の変わりはいくらでもいる……≫



他の私が死ぬ度に楽になれて良いなって……考えていた……。


死にたい……。楽になりたい……。


ずっと、ずっと……私は死にたかったんだ……。


―
――
―――


そんなに長くはないけど、私も秀一と一緒に暮らすのは楽しかった。


助けてくれた。


傷の手当てをしてくれた。


心配してくれた。


暖かいご飯に暖かい寝床。


人の温もり。


全部、私の知らなかったこと。


そして初めての名前に、初めての家族。


こんなにたくさん貰ったんだから、今度は私が秀一に何か＿＿＿＿。





〜＃〜

追加設定

名:A
旧名:10358(実験名)



ようやくここで夢主ちゃんに名前が出来ました。思ったより長くなってしまった。
これからもこの作品≪貴方のために出来ること≫をよろしくお願いします。


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