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陣痛室から分娩室までは数メートル
それなのに、何回も何回も立ち止まって。
亮「あっ……無理っ……出ちゃう……出るっ………」
「大倉さん、まだ大丈夫よ。分娩台乗るまでは生まれないから。ね？」
亮「はぁっ…はぁっ………んっ〜………」
それでも何とか分娩室に着いて。
「大倉さん、そしたら足開くからね〜。リラックスしててね。」
亮「ふぅ…………あ、痛いっ……！」
大「亮ちゃん、力抜いてな？」
いよいよ、出産の体勢になってホンマに生まれるんやって実感が湧く
「今まだ全開大じゃないから、あと１センチぐらい開くまで待とうね。」
ホンマは、全開大になってから息んで破水させるらしいんやけど、亮ちゃんの場合は全開大になる前に息んで破水してもうたから、まだ待たなくちゃいけなくて。
でも亮ちゃん的には、もう赤ちゃんがそこまでって感じらしくて。
息み逃しをしなくちゃいけないんやけど、本当にそれがしんどそうで。
もう既に俺の涙腺ボロボロやもん。
亮「あ、あ、あー……出るっ……出るっ……」
「まだ出ないからね〜。大丈夫、大丈夫」
ホンマに出るんちゃうの？って俺は何回も思ってんけど、出ないらしくて。
もどかしい感覚が続いた。
やけど、急に亮ちゃんの息遣いが変わって。
亮「あ、あ！……はぁっ………うんっ！……出ちゃうっ……」
「大倉さん、全開大になったよ！じゃあ、息んで行きましょう。」
俺も亮ちゃんも聞きたかったこの言葉がやっと聞けて。
あと、数十分？数時間？それとも数分？
ホンマに、あと少しなんや。
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作者名：しょーゆぽんず | 作成日時：2020年5月10日 13時
