【ヒロアカ】竜胆【ホークス】 (ページ9)

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ep.9 ページ9

鷹見は食材の買い物に来ていた。

一人暮らしだから買い物も行かないといけないわけで。

あまり表立った場所には行かず、知る人ぞ知るっていう場所に来ていた。

しばらくの分を買っておこうと思い、買い物を進めていった。

＿＿＿＿＿...

鷹見は、一通り買い物を済ませ、帰宅しようと足を動かそうとしたその時、

聞き覚えのある、ずっと聞いていたい声が聞こえた。

知り合いはいないだろうと踏んでいた場所に、好きな人がいたのだ。

「Aさん、ここで買い物してるんだ

そんなの、運命じゃん」

鷹見は、誰にも聞こえない声で呟く。

声をかけようとしたその時、

「A、荷物持つよ。重いだろ？」

知らない男が、Aに寄り添ってきた。

誰

誰だ

彼氏か？

婚約者か？

鷹見は、底から湧き出る焦りとともに、黒い感情も湧いてきた。

『ありがとう。じゃあ、これお願いね。』

二人が視線を合わせている姿は仲睦まじい。

鷹見は、アイツは誰だ、ということしか頭に浮かんでおらず、そして、

ほぼ無意識にカメラを向けていた。

そして一枚写真に収め、二人の様子を伺う。

＿＿＿＿＿...

あの後、二人の後を着けるように歩いていった鷹見は、いつの間にかマンションにたどり着いていたことに気づく。

Aは、自分の部屋の前まで来ると男に、ちょっと待っててと言ったのだろうか、ドアを開けたまま男を置いて部屋に入っていった。

その時、鷹見は見てしまった。

男は、部屋に入っていったAを、

厭らしい、性的な目で見ていたことに。

鷹見は殺意にも似た感情が煮えくり返った。

あの男は何なんだ

何者なんだ

Aとどういう関係なのか

とにかくあの男はAに近づけたくないと思い、色々と(・・・)調べることにした。

Aが戻ってきた時には男は、優しげな笑みを浮かべ、Aの部屋に上がっていった。

.

その日、鷹見の一室には、

男の顔が黒く塗りつぶされた男女の写真が、

新しく貼られていた。