にこいちマンネ② (ページ26)

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"愛されるはずだった美しい天使が足を滑らせて地獄に落ちてきちゃった"

"名前を呼んでほしい私の手をひいてほしい"

歌詞は映画のようなセリフだ

信じ難いけどそれは彼女の全てだ

名前を呼ばれなかった彼女

俺でさえ、全ては知らない彼女の過去

それは彼女が記憶に蓋をしているからだ

俺が知るのは、彼女がふとした拍子に思い出したとき

たまに夢でうなされる彼女を起こしてあげると、涙を零しながら自分でさえ忘れていた記憶についてぽつりぽつり話す

そうやって、俺も知らない彼女も知らない、信じ難い過去は、2人で受け入れていくことにしたんだ

これは俺たちの秘密

彼女は存在しないかのように生きていたんだ

寂しかっただろう

どのくらい寂しかったかなんて、俺がわかるわけないんだ

大切なご両親がくれた名前を忘れるほどの孤独

でも分かりたいと思う

大切な片割れに、こんなに重いものを1人で抱えて欲しくない

1人じゃいつか、絶対につぶれるんだ

だから俺がずっと隣にいる

yy｢…うん、すごい歌詞…彼女の曲を事前に聴いてたけど…彼女の今ある全てを表現した曲ばかりだと思います｣

ｶﾒﾗ｢(頷く)｣

あまりの儚さと世界観に

スタッフさんも圧巻している

ほら、あそこのスタッフも固まってるよ

yy｢消えちゃいそう…
この撮影終わったら捕まえにいかなきゃㅋ｣

ｶﾒﾗ｢(ㅋㅋ)｣

それから約5分くらい

ｽﾀｯﾌ｢OKで〜す、休憩はいってください｣

｢ありがとうございます〜皆さんもしっかり休憩とってくださいね〜！｣

ｽﾀｯﾌ｢｢は〜い｣｣

yy｢わぁ、プロだㅋㅋㅋㅋ｣