3話 ページ4
「君、もっと危機感持った方が良いよ」
降魔大聖が去ってから、呆然とその場に立ち尽くしている私を見てタルタリヤはやれやれ、といった素振りでそう言った
『危機感……って、いや、無理でしょう。あんなの』
そう言って首と手をこれでもかと振る
私は貴方みたいに戦闘が長けてる訳でも無いのに
「A、あの仙人に何したか知らないけど、あのまま俺が来ていなかったら監i禁でもされてたんじゃない?」
『……何で私を』
「あ、そうそう。君、洞天って知ってるかい?」
聞き馴染みのない言葉に私は首を捻る
というか急に話を変えるな……
「俺も最近博識な知り合いに教えてもらったんだけどさ、洞天って特別な壺の中に、ある程度の大きさのフィールドが広げてある所らしい」
『それが私となんの関係があるって言うの…』
「A、さっきそれに入れられようとしてた気がするんだけど?」
なんか俺も洞天入る時あんな感じだし〜と言うタルタリヤに私はぐるぐると思考を巡らせる
まさか
彼は私を知らないし、いや、知っているはずもない
そして私が知っているのは「降魔大聖」と言う彼の名前と顔だけ
そんな筈はない
彼が私を知っている筈がない
「…………俺の知り合いを紹介してあげよう。仙人にも詳しいし、君の力になってくれるだろう」
何かを考えている私を見てかは知らないがタルタリヤがそんな事を言った
『変な人はお断りだからね』
「あはは。さぁ?それはどうかな」
にこりと笑い、視線を合わせてきたタルタリヤに私は一瞬固まり、そして目を逸らした
彼の瞳はあまり好きではない
虹彩が消え失せている瞳は、言っちゃ悪いとは思うが死人とタルタリヤだけだと私は思う
光の無い彼の瞳に映る私がなんとなく私じゃないような気がして、いつも目を逸らしてしまう
「さ、もう夜も遅い。俺が送るよ」
『……タルタリヤってそういう事するんだ……!』
意外〜、と笑いかけてみれば「君は俺をなんだと思ってるのかな……」と彼にため息を吐かれた
するとどこからか優しい風が吹き、頬を撫でた
あれ、この風も、どこかで
そんな私の考えはタルタリヤの「ほら早く!付いてこないと送っていかないよ」という最低発言によって掻き消された
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75MQiGVSCwFC1RV(プロフ) - はわ、横棒とかを区切る為かと思いきや規則性からその真意に気づいてしまいました…。続きが出るのを楽しみにしてます! (5月8日 2時) (レス) @page17 id: 703a5f6103 (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - めっちゃ続きが気になります! (2023年4月9日 22時) (レス) @page12 id: faa7a99a5f (このIDを非表示/違反報告)
ててい - 新作ありがたいです🙏 とても面白かったです更新頑張ってください💪🔥 (2022年11月30日 19時) (レス) id: af57e42461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさけ | 作成日時:2022年11月29日 20時