黙りやがれ公子様

逃げる ページ38

NO side (見る人によっては少し怖いかもしれません。ちなみに作者は怖いです)










『ハッ、はあっ、はっ！』


白い息を吐き出して山を駆け降りる1人の女。


「ど、ドコイク、ノ？」


真後ろを四足歩行で追いかけてくる謎の生物。


頭逆さまになっており目は真っ黒で口は大きい。


『な、んで元素力使えない、のっ！』


女の手首には謎の黒い紋様が付いていた。


おおかたこの紋様のおかげで元素力が使えないのだろう。




女は璃月を目指して走るが思う。


このままこの化け物を璃月に連れて行っても良いの？


と。それよりもまず女がこの化け物から逃げられるのかどうか。


女………否Aは戦闘スキルは冒険者くらいには付いている。


今すぐこの化け物の戦えば済む話だった。





Aはこの化け物が怖かった。





この得体の知れない謎の生物。


Aの心は恐怖でどんどん蝕まれて行く。


この山は比較的璃月に近い。


こんな化け物が璃月の近くにいるのに、千岩軍は何をしているのか。


『ぁ、しょ、さま呼べば……ゲホッゲホゲホッ！』


今の時期は冬。今日は比較的寒い1日だった。


それに加えて山の中。うまく声が出せない。


本当なら今すぐ座って休みたい。


足が痛くて泣きそうなの。


目に涙を溜めながら、痛みに耐えながらAは走る。


「オニ、ゴッコ？たの、シししし、イネぇぇぇぇ」


そう言うと化け物はスピードを上げる。


『ゲホッ、！クソッ』


Aはとにかく璃月方向は走った。璃月の近くならば少なくとも1人くらいは千岩軍がいるだろう、そう思って走った。







「ツーかま、ええええええタァァァァァ！！」







刹那、化け物がAの首元に噛み付いた。


『い゛ッッッ』


Aは急に体に走った激痛に耐えられず、それまでの疲れもあったのかその場に倒れた。


『ゲホッ……ひゅっ、』


噛みつかれた場所から血が大量に流れ出る。


深く噛まれたみたいだ。Aは動かせる手でその傷口を押さえた。




「あれ、れれれ？ま、だだだだだ、おき、てる？？？るるる？」




化け物はAの顔の近くに自分の顔を近付けてニタニタと笑った。











ブシュッッッッッッ










「えれ？？いた、いいいいいいい？」

今行くよ→←えええファトゥス顔良すぎんかァァァァァ

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