君がいた世界 (ページ9)

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あっという間に文化祭はやってきて

バタバタして気づいたら2日目も終わり

みんながグラウンドに向かう中

私は1人屋上に向かっていた

もう校舎にいる生徒なんてほとんどいない

屋上まで向かう廊下や階段は

いつもと比べてすごく静かだった

屋上のドアを開けると

真ん中に寝転がってる人の姿が見えた

そこまで近づいて

「廉？」と声をかけた

廉はちらっと私を見て

また空に目線を戻した

「何見てるの？」

廉「星」

「なんで？」

廉「なんとなく」

私も廉の隣に寝転んで星空を見る

「こんなに綺麗なんだ…」

今まで星空なんて

ちゃんと見たことがなかった

都会でもこんなに星が綺麗に見えるなんて

全然知らなかった

廉「俺も最近知った」

「そうなの？」

廉「うん、病気分かってから」

「そっか…」

横目で廉を見ると

表情を変えずに真っ直ぐ星空を見ていた

廉「死ぬ前に気づけてよかった…」

そう言った廉が

このまま消えちゃいそうで

横にある廉の手に

自分の手を重ねた

廉は驚いたみたいで

一瞬こっちを見たけど

私は星空を見たまま

「私も気づけてよかった。廉のおかげだね」

廉「せやろ？俺に感謝やな」

「ふふっ、すぐそうやって調子乗る」

2人の間に流れる空気が

和やかで柔らかくて

やっぱり好きだ

私は廉のことが好きだ

そう強く思った

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