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廉side
自分でもなんであの時
Aのことを呼んだか分からへん
なんやろう…
ただ寂しかったんかな
いつも一緒におる友達にも
病気のことは話せへんかった
誰にも話してなかったのに
Aには話せた
思い出作り係もやるって言うてくれて
俺がサッカー部のこと見てたら
サッカーする！言うて
自分はしたことないのに
そんなAの明るさにつられて
久しぶりにこんなに笑った
「じゃあね、廉」
廉「おう、気をつけてな」
Aと別れて家に帰る
自分の部屋に入って
ボールをもとあった位置に戻す
そういえば久しぶりにボール蹴ったな
もう蹴らんって思ってたのに
これもAのおかげやな
廉「ありがとな」
そう言ってボールを触る
夜になって窓を開けて星を見る
病気を知ってから
こうやって星を見ることが多くなった
こんなに綺麗やったんやって
病気やなかったらこんなことにも気づかないまま
生きてたんやなって思うと
病気って案外悪くないやんなんて思ったりした
いつ死ぬんやろ…
何月何日の何時に死ぬかなんて分からへんくて
ひとつだけ確かなことは死ぬっていう事実で
廉「そんなんでどうやって生きろ言うねん」
そんな呟きもすぐ消えてしまう
窓を閉めようとした時
携帯が鳴った
"次サッカーやる時は廉より上手くなってるから！"
廉「ふふっ、アホやな」
少し心が軽くなった気がした
.
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作者名：りり | 作成日時：2021年3月8日 9時
