君がいた世界 (ページ31)

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幸せだったクリスマスから

あっという間に時は過ぎて

新しい1年が始まった

廉はというと

あれからさらに体調が悪くなった

ずっとベッドに寝ていて

起き上がるのもやっと

腕も細くなって頬もこけて

笑顔も弱々しくなった

廉のお母さんに

辛かったら逃げてもいいって言われたけど

どんなに辛くても絶対逃げない

廉に嫌われようと

私は最後までずっと廉のそばにいる

そう決めたから

「もうちょっとで誕生日だね」

廉「せやな…」

「楽しみだな～」

廉「ふふっ、なんでAの方が楽しみにしとんねん」

3週間後は廉の誕生日

きっとこれが廉にとって最後の誕生日になる

だからずっと思い出に残るものにしたい

廉がどこに行っても忘れられないくらい

幸せな思い出にしたい

布団の上に置いてある廉の手をそっと握る

廉「ん、どした？」

「ううん、なんでもない」

廉「ふふっ、なんやねん」

「いいじゃん、もうちょっとだけ」

あったかい…

ちゃんと生きてる

廉はここにいる

不安な自分がいなくなるよう

そう言い聞かせる

廉「あ、雪」

「ほんとだ…」

廉「外、寒かった？」

「うん、すごい寒かったよ」

「そっか…」と呟いて

少しだけ私の手をぎゅっとした

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