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廉「ホテル予約してあるから行くで」
イルミネーションを見た後
廉にそう言われた
部屋に入って窓から
外の景色を眺めていると
後ろからぎゅっと抱きしめられた
「綺麗だね、星」
廉「綺麗やな…」
「そこはAの方が綺麗やでって言うんじゃないの？」
廉「言って欲しいん？」
笑いあってなんとも言えない空気が流れる
きっと分かってるんだ
これが最後って…
こうやって外でデート出来るのが
今日しかないって分かってる
廉も相当先生に無理言って
外泊許可出してもらったんだろうな
くるっと向きを変えて
廉の胸の中に収まる
廉「なぁ、貰ってもええ？」
「何を？」
廉「Aの全部」
廉の頬を両手で包んでキスをする
「いいよ…」
微笑んだ廉から優しいキスが
何度も降ってくる
そのまま優しくベッドに押し倒される
廉の指が触れる度に
体温が上がるのが分かる
最初で最後
そう思うと気づいたら泣いていて
廉の指で拭われる
廉「泣かんでや…」
そう言った廉の瞳も
涙で濡れていた
「廉も泣いてるじゃん…」
手を伸ばして廉の涙を拭う
廉「ほんまやな…」
そう呟いた廉は
泣きながら笑っていた
すごく幸せなのに…
終わりがある幸せは
こんなにも切ないものなんだと初めて知った
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作者名：りり | 作成日時：2021年3月8日 9時
