25 ページ25
.
毎日廉に会いに行っていたら
廉の体調が日に日に悪くなっている
そんなことはすぐ分かった
学校が終わって会いに行っても
寝ていることが多くなった
前も細かったけどさらに細くなった
こんな日が来ることは
ずっと分かってたはずなのに
いざ来てしまうと
嫌で嫌で仕方ない
弱っていく廉を見るのが
すごく苦しくて辛い
でも絶対1番辛いのは廉だから
私はこうやって毎日笑ってる
できるだけいつも通り
廉に心配をかけさせないように
廉「外寒い？」
「うん、もう12月だからね」
廉「そっか…もうそんな時期か」
「そうだよ。クリスマスだよ」
初めての廉とのクリスマス
きっと病院で過ごすことになるだろうけど
それでも廉と入れるだけで幸せだから
廉「クリスマス楽しみにしといて」
「えっ、なに？サプライズ？」
廉「教えへんわ。ていうかこれ言うてる時点でサプライズちゃうやろ」
「あっ、そっか」
でも廉が楽しみにしといてなんて
何考えてるんだろう
病院の中で何かしようとしてるのかな
でもさっきの廉の顔
ちょっと楽しそうだったな
久しぶりに廉のあんな顔見た
これからもずっとあんな顔してて欲しいな
もう時間が無いことは分かってるけど
もうちょっとだけ…
もうちょっとだけ時間が欲しい
このもうちょっとが積み重なって
ずっとになればいいのに…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2021年3月8日 9時
