23 ページ23
.
廉「なんでっ…」
急に現れた私を見て
廉はすごく驚いていた
「来ちゃった」
廉「来ちゃったやなくて」
「廉の様子がおかしかったから」
廉「えっ…」
「何かあった？」とベッドの近くにあった
椅子に座って廉を見つめる
廉「あのサッカー教えてって言うとった子おったやろ？」
廉「あの子おととい亡くなったって…」
「そうなんだ…」
廉「それでなんか分からんけどAの声聞きたなってん」
「そっか…」
きっと廉は怖くなったんだ
身近な人が病気で亡くなって
自分と重ね合わせた
廉「初めてやねん。怖いって思ったの」
「うん…」
廉「Aのせいやで」
「私のせい？」
廉「Aのせいで生きたくて生きたくて仕方なくなってもうたやん」
悲しそうに笑いながら
そんなことを言う廉のせいで
私の方が先に泣いてしまった
それを隠すように
廉の胸に抱きついた
廉「なに泣いてんねん」
「泣いてない」
廉「ふふっ、ほんまに素直やない彼女やな」
そう言いながら優しく頭を撫でてくれる
廉「A、帰らんの？」
「だってまだ廉大丈夫じゃないもん」
廉「いや、でも…」
「いいから、はい入るよ〜」
そう言って廉のベッドに無理やり入る
「ねぇ、せまい」
廉「当たり前やろシングルなんやから。お前から入ってきといて文句言うな」
廉との距離が近くでドキドキするけど
不思議とすごく安心する
廉「ありがとうな」
「えっ…」
廉「もう言わんからはよ寝ろ」
「なんでもう一回くらい言ってよ」
「うるさい」と言って私とは逆の方を向いて寝てしまった
素直じゃないのはどっちよ…
そんなことを思いながら
少しだけ廉の背中に寄り添って目を閉じた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2021年3月8日 9時
