君がいた世界 (ページ15)

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廉「なんかこの公園来たのめっちゃ前に感じるな」

「そうだね。サッカー楽しかったな」

廉「俺より上手くなる言うてなかった？」

「そんなこと言ってた？」

公園のベンチに座って

そんなことを話すけど

なかなか本題に触れることが出来ない

廉「花火大会の時さ…」

私がどうやって切り込もうか

悩んでいたら廉から話し始めた

廉「ごめん、あんなことして」

「えっ…」

廉「忘れて、俺も忘れるから」

なんでそんなこと言うの…

あんなことって

忘れてなんて

私が聞きたかったのは

そんな言葉じゃないのに

「やだ…」

廉「A？」

「忘れない、忘れたくない」

こんな気持ちにさせといて

忘れろなんてずるいよ

「好き…」

「廉のことが好き」

廉と出会ったあの日からきっと

私は廉に惹かれていた

そして手を繋いだあの夜から

私はずっと廉のことが

好きで好きで仕方なかった

廉「俺、病気やで？」

「知ってる」

廉「Aより先に死ぬんやで？」

「知ってる」

「でも…」と肝心な言葉を言ってくれない

廉の唇に自分の唇を合わせた

「私は廉が病気とかそんなの関係なく廉が好きなの」

「だから私を廉の最後の彼女にして下さい」

そう言って廉見ると

廉の目から一筋の涙が流れた

「廉、泣いてっ「うるさい」

言おうと思った言葉を遮られて

廉に抱きしめられる

廉「もう、ほんまになんやねん」

「廉？」

鼻のすする音が聞こえて

やっぱり泣いてるんだって分かった

廉「俺の最後の彼女になって」

「それって…」

ゆっくりと体を離されて

少しだけ赤くなった目が

私の目を捕らえた

廉「好き」

そう言って廉は笑って

「あと…」と言ってもう一度私を抱きしめた

廉「浴衣、すげー似合ってた」

「遅いよ、バカ」

廉「ごめんって、これで許して？」

そう言ってゆっくりと

優しいキスをした

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