君がいた世界 (ページ2)

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振り向いた彼は

やっぱり近くで見ても

初めて見る顔だった

「私に何か用ですか？」

沈黙が気まずくて私から話しかけた

廉「まぁ、用っちゃ用かな」

話したことも無い私に何の用があるんだろう

知らない間に何かしちゃってたのかな

そんなことを考えていると

「なぁ」と呼ばれ彼を見ると

廉「俺の思い出作りに付き合ってくれへん？」

思い出作り？

どういうこと？

なんで話したこともないのにそんなこと言うんだろう…

「えっと、思い出作りってなんですか？」

廉「あっ、そうや！じゃあ俺の思い出作り係に任命する！」

「えっ…」

思い出作りが何かって聞いたのに

任命するとか言われても

質問の答えになってないし

よく分かんない、この人

廉「名前教えてや。俺は永瀬廉。2年5組」

「いや、私まだ返事してないんですけど…」

廉「ええから。早く名前」

なんなのこの人

初めましてなのにタメ口だし

人の話全然聞かない

言うまで帰してもらえなさそうだなって思ったから

仕方なく「白石Aです。2年2組です」と答えた

廉「Aか…あっ、さっきの話の続きやけど断るとかなしやで？」

「えっ、なんで…」

廉「だって俺が任命したんやもん。Aに断る権利はない」

そんなことを言われて

「じゃ、そういうことで」と言って

帰ろうとするから慌てて引き止めた

「理由を教えて」

廉「なんの？」

「私があなたの思い出作りをしなきゃいけない理由」

廉「明日の放課後図書室」

「えっ？」

彼は少し笑って

「来たら教えたるわ」と言って帰って行った

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