傷跡 (ページ6)

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実験は順調に進んでいった

みんなで協力して

これで最後っていう時

ほんとにたった一瞬

たぶん誰かが分量を間違えたんだろう

それを注いだ瞬間

大きい炎がブワっと広がった

それを見た瞬間

あの時のことが一気に頭に蘇る

みんなが騒いでたり

先生が何か言ってるのは分かる

でも私はその場から動けずにいた

大丈夫、落ち着いて

これは実験で少し失敗しただけ

そう自分に言い聞かせるけど

体は言うことを聞かない

手も震えてきたその時

海「すいません。白石さん怪我したみたいなんで保健室連れていきます」

海人がそう言って私の手を取って教室から出た

海人がいる安心感からかさっきまでの恐怖からか分からないけど

教室から出た途端膝から崩れ落ちた

海「ごめん…やっぱ無理にでも一緒のグループになるべきだった」

申し訳なさそうに私の前にしゃがんでそう言う海人

そんなことないって言いたくても

上手く声が出せなくて首を振ることしか出来ない

海「ほら、乗って」

そう言って背中を向けてくる

素直に手をかけると「よいしょ」と言って立ち上がり

私を保健室まで連れて行ってくれる

「海人、ごめん…」

海「謝んないでよ」

「ありがとう…」

海「どういたしまして」

海人こんな力あったんだ

小さい頃は身長もそんなに変わらなかったのに

いつの間にかこんなに大きくなっていた

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