傷跡 (ページ5)

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廉「海人おいていくで」

「先行くよ？」

海「ちょっと待ってよ～」

準備が遅い海人を置いて

私と廉で移動教室に行くと

後ろから海人が走ってくる

海「ねぇ、なんで本当に置いていくの？」

廉「お前毎回遅いねん」

廉の言葉に私も頷く

「ひどーい」なんて言いながらも

廉とこうやって話してる時は

すごく嬉しそう

廉「今日実験やったな」

「なんの？」

そう聞くと「さぁ」と言いながら席に着く廉

チャイムが鳴って先生が入ってきて

今日の実験の説明を始めた

先「今日の実験は火を使うから気をつけるように」

先生がそう言った途端海人が

「グループは勝手に決めていいの？」

と先生に聞いた

先「グループは今座ってるテーブルの4人組だから」

海「それって変えれない？」

先「ダメだ。もう決まってるんだから」

先生にそう言われると海人は大人しくなった

海人がこんなにグループにこだわるのは

きっと火を使うって聞いたから

海人と廉は同じグループだけど

私は席が離れてるから違うグループ

火事で家族を亡くした私にとっては

火は怖いもの

最初はちょっとの火でも

あの時のことがフラッシュバックしちゃって

過呼吸起こしたり倒れてたりした

でもだんだん大きくなるにつれて

火にも慣れてきて

今は大きな火じゃない限りそんなことは起こらない

準備のためにみんなが席を離れると

海人が近づいてきて

「大丈夫？」と聞かれた

やっぱり心配してくれてたんだ

「うん、大丈夫だよ。そんな大きな火じゃないだろうし」

海「そっか…でもなんかあったら俺に言ってね」

心配そうに私を見つめる海人に「ありがとう」とお礼を言って自分の席に戻った

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