はんぶんこ (ページ4)

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「永瀬…」

眠そうに目をこすりながらあくびをしている

「ねぇ、永瀬くん！どう思うこの写真」

そう言ってさっきの写真を永瀬に見せる

廉「どうって？」

「Aちゃんお金ないからって身体売ってるんだよ」

違う、そう言いたかったけど

言っても無駄だしもう疲れた

廉「ほんまなん？」

「本当も何も写真があるんだからさ」

廉「お前に聞いてない。こいつに聞いてんねん」

永瀬はそう言って私を見た

廉「ほんまなん？」

「違う…」

私の答えを聞いた永瀬は

その子の方に向き直って

廉「違うって」

そう一言だけ言った

「えっ、でも写真あるじゃん」

廉「写真があるから何？」

そう言うと永瀬は「はぁ」とため息をついて立ち上がった

廉「俺はこんな写真1枚で態度が変わるお前らなんかより、自分の足で立ってちゃんと生きてるこいつの方を信じる」

誰も信じてくれないって

私の言うことなんて聞いてくれないって

そう思ってたのに

廉「それと昨日の聞いてたから。お前とこいつが話してたの。どうせこれも昨日の腹いせやろ？」

「えっ…」

図星だったみたいで何も言えなくなってる

廉「こんなことするやつ彼女にする気もないし友達にもなりたくないから」

「じゃあ」と言って永瀬は教室を出ていった

お礼言わなきゃ…

私は永瀬の後を追いかけた